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ジャネット・ジャクソン『ジャネットのマジック』
ジャネット・ジャクソン・ライヴ
『ジャネットのマジック』
【2002年1月17日木曜・東京ドーム】


  彼は出会ってまもない彼女をそのコンサートに誘った。ドームは
二人とも初めてだった。

  天からジャネットが降りてきてショウがスタートし、最新作『オ
ール・フォー・ユー』からの作品を3曲連続で披露してから、『リ
ズム・ネイション』(89年)収録の「ラヴ・ウィル・ネヴァー・ド
ゥ」を歌い始めた。イントロが流れた瞬間彼女は言った。「この曲
当時、朝から晩まで聴いてたの」「友達は、みんな私たちが続かな
いって言った。でもあなたでなければ愛せない」という曲だ。

  あらゆるヒットを可能な限り網羅した前回の『ヴェルヴェット・
ロープ・ツアー』(99年)の曲目をベースに、新作からの作品を8
曲ほど入れ替えたエンタテインメント性たっぷりのステージは、ビ
デオ映像や激しい踊りで彼らを一瞬たりとも飽きさせない。幾度も
衣装を変え、ミュージカルさながらの各曲ごとの演出を施したステ
ージは時の流れに加速度を与える。

  「他の男たちも私の恋人になろうと言い寄ってきた。でもそんな
ことは微塵も考えなかった」(「ラヴ・ウィル…」)

  彼らの度胆を抜いたのは「ウッド・ユー・マインド」。男性客を
ステージにあげ、紐でしばりつけ、ジャネットがセクシーに彼に迫
る。その大胆さ!  4万人の前で「愛される」のは、一体どんな気
持ちなのだろう。前回は「ロープ・バーン」でやっていた演出だ。

  「トゥゲザー・アゲイン」が終わり、照明がついた。彼は彼女に
言った。「え、もう終わり?  もっとここにいたいなあ」彼女は黙
ってうなずいた。

  記者会見でジャネットは、すべてを手に入れた今欲しいものは何
かと問われて、「恋に落ちたい」と答えた。恋を渇望するジャネッ
トが2時間という時の流れを凍結し、二人に恋のマジックをかけて
いた。

【2002年1月17日木曜・東京ドーム】
(吉岡正晴)

(2002年1月26日付け・毎日新聞夕刊・楽庫に掲載)
    
MASAHARU YOSHIOKA
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