NO706
2004/07/11 (Sun)
Boys II Men Live At Kokusai Forum A: A Road To Las Vegas 
=Double Side Review=
=Side B Review=

(新企画、ダブルサイド・レヴュー! 同じライヴを違う視点から見て、二種類の感想文を書きます。まずサイドA、そして、サイドB。二つの視点から見ると、そのライヴも立体感を持ってよみがえるかもしれません。今日は、昨日に続きボーイズトゥメンのサイドB)

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Boyz II Men: Side B Review

ラスヴェガス。

国際フォーラムに向かって歩いていると、中庭の吹き抜け部分にやたら人がいた。見回すと何台もの屋台があって、いろいろなものをだしていた。アジアのような、ニューヨークのような、けっこういい雰囲気。きけば金曜と土曜だけやっている、という。開演まで時間があったので、ちょっと軽くつまむことにした。

バンド4人にボーイズ・トゥ・メン3人という7人編成で始まったライヴ。オープニングの「モータウンフィリー」「アンダープレッシャー」の2曲メドレーは、ヒットしていた当時大流行の「ニュー・ジャック・スウィング」のサウンドで、激しい振り付けで踊る。なっつかしい。

以後は、ほとんどスローからスローミディアム調の曲が続く。1-2曲目のワンツー・パンチの余力か、観客はスローになってもずっと立ったまま。じっくり座って聴いたらどうだろう。

中盤、グレイのスーツに着替えて新作『スローバック』からの作品をメドレーで歌う。スタイリスティックスの「ユー・メイク・ミー・フィール・ライク・ア・ブランニュー(誓い)」、さらにホール&オーツの「サラ・スマイル」へ。もちろん、曲はいいから、それなりには聴かせるのだが・・・。

しかし、どうなのだろうか。このコーナー。もちろん、おなじみの大ヒットばかりがメドレーで歌われて、すごくいい感じなのだが、日本のハコバンドやソウルバンドあたりでも思いつきそうなアイデアでもある。それをちょっと本場の歌手がやってます、みたいな感じだ。どこかのライヴをやってる小さなバーあたりで、「トップ40バンド」がソウルヒットをカヴァーしているのを見てる、そんなのりなのだ。曲がいいだけに、じつにもったいない。全米ナンバーワンのヒットを持つアーティストがやることだろうか。どうせやるなら、もっとなにかひとひねりというか演出でも考えて欲しい。

この姿を見ていると、将来、彼らはラスヴェガスあたりでも進出してホテルでオールディーズのヒットを歌う「オールディーズ・アーティスト」として人気を集めるのではないかと思った。アンディー・ウィリアムスや、ウェイン・ニュートンみたいな感じで、うまく行ったら、アンディのように自分だけの劇場、「ボーイズ・トゥ・メン・シアター」でも作って、毎日オールディーズを歌って観光客を喜ばせる。そんな未来を思い描いた。ま、オールディーズ・グループなら、彼ら自身がたくさんヒットがあるので、大受けまちがいなし。日本でも、ヴェンチャーズやポール・モーリア、一時期のスタイリスティックスみたいになれるかもしれない。もちろん、それはそれで立派な仕事である。

それとも、これは日本の観客だけに見せる企画か。『スローバック』というアルバムは、アメリカで発売される可能性などあるのだろうか。あのレベルのアルバムをアメリカで出すとしたら、たいした度胸である。たまたま日本で出せて、けっこう売れたので、じゃあここからやろう、というのは流れとしてはひじょうに自然だ。これを安易の連鎖と呼ぼう。そして、このパートを、オールディーズ・ショウでなく(オールディーズショウなら別に問題ない)、そのままアメリカのコンサートでやるのだとしたら、これもたいした度胸である。日本だけでやるというのであれば、こんどはずいぶんと日本をなめた話である。日本の観客も、しっかり「ノー」と言わなければならない。「ノーといえる日本」・・・。音楽の世界でも大事だ。

「イエスタデイ」を3人アカペラで歌う。時代はテイク6、さらにナチュラリー7などはるかにすごいアカペラ・グループがでているのだから、とてもこんなのでは、太刀打ちできない。日本のアカペラグループだって5-6人のグループがいる。アカペラ自体が進化しているところに、一時代前の3人アカペラの「イエスタデイ」は、聞いているこちらが寂しくなった。3人アカペラは、刺身のツマにはなるが、もはや、刺身そのものにはならない。

最後のアンコール「エンド・オブ・ザ・ロード」のときのこと。コーラス部分、これ、録音じゃないの〜〜〜。どういうこと? これなら、バックコーラス3人くらい雇ったほうがいいんじゃないか。いいかげんだなあ。(笑)

しかし、全体的に振り返ると、例えば、テイク6や、これからのナチュラリー7は、国際フォーラムなどの規模はとても埋め尽くせない。それは一般的な人気は、はるかに彼らには及ばないからだ。その理由は、ボーイズたちが多数の大ヒットを持っているということに尽きる。ライヴを通して一番感じることは、彼らの楽曲はみな強力でいい、ということだ。曲がいいからヒットした。もちろん、ちゃんとコーラスグループとして水準はいってます。ポップ・コーラス・グループとしては充分だ。ヒットがたくさんあるから観客がたくさん集まる。人気がある。ただ、それとライヴ・パフォーマンスのクオリティーとは必ずしも一致はしない、ということである。

しかし、それほどライヴに来ない人たちにとっては、あるいはボーイズたちのCDを死ぬほど聴いてきて、大ファンになっている人たちにとっては、自分たちが知っている曲が次から次へと流れてきてきっと楽しいと思う。楽しむが勝ちである。

彼らのこの日のライヴを見て、ボーイズ・トゥ・メン、将来はラスヴェガスへ、という思いを強くした。ボーイズ・トゥ・メンは、好きなグループだけに、残念だなあ。しかし、このままではかなり後ろ向きの感想文だ。最後に、前向きな建設的なことを少しは付け加えよう。

まず、大胆だが、メンバーを2人増やしたら、どうだろう。なにしろ、4人が3人になっているだけで、大きなマイナスイメージである。だが逆に2人増やして5人にしたら、その二人のハーモニーがそこそこなら、「おお、迫力でたな」と思わせられる。かなりのプラスイメージになることまちがいない。あとは、オリジナルと振り付けをもう少し増やして、ダンサーなどをいれてもいいかもしれない。

フォーラムを出て近くのカフェで軽く食べていると、隣の隣の客が騒がしくしていた。なんと、壁にゴキブリを発見していたのだ。それを見た若き女性スタッフ、厚い紙を丸めてバシッっと一発で壁を直撃。つ〜〜と、そのゴキちゃん床に落ちた。その子「一丁あがり」てな風情で涼しい顔をしてゴキを処分していた。ボーイズたちも、ライヴ・パフォーマーとしては、「一丁あがり」なのだろうか・・・。そのときのテーマ曲は「エンド・オブ・ザ・ロード」・・・。

(ボーイズ・トゥ・メン、昨日のライヴ・レヴュー・サイドAもご覧ください)


Setlist (imcomplete)

show started 19:18

01. Motownphilly
02. Under Pressure

03. On Bended Knees
04. Please Don't Go
05. 50 Candles
06. Uhh Ahh
07. Right On Time(From Album "Full Circle")

"Throw Back Section"
08. You Make Me Feel Like Brand New
09. Sara Smile
10. For The Love Of You
11. What You Won't Do For Love
12. Yesterday
13. Time Will Reveal
14. It's So Hard To Say Goodbye
15. Let's Stay Together

"Boyz II Men Classic"
16. Water Runs Dry
17. I'll Make Love To You
18. A Song For Mama

Encore End Of The Road

show ended 20:56


(2004年7月9日金曜、東京国際フォーラム・A=ボーイズ・トゥ・メン・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Boyz II Men


Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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