NO.659
2004/05/29 (Sat)
Chris Botti Live At DUO:
言葉力。

オレゴン出身のいわゆるイケメン・トランペッター、クリス・ボッティーの本人名義の初ライヴ。ドラムス、ギター、ベース、キーボード、そして、クリスのトランペットという布陣。まあ、前日にマッコイ・タイナーなどというとてつもないライヴを見てしまったものだから、それと比較するのは酷というもの。全体的にはイージーリスニング、スムースジャズといった雰囲気。アップテンポよりもスローの曲のほうがムードがあり、彼にあっている。ムードが売りというアーティストだ。

一曲目はナット・キング・コールなどでおなじみの「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ」。最初このメロディー知ってる知ってると思いつつ、なかなか曲名がでてこなかったが、本人の曲紹介で思い出した。この路線、いいんじゃないでしょうか。

ドラムスがビリー・キルソンといい彼だけブラック。なぜか、その叩き方が沼澤尚さんを思わせた。不思議だ。(笑) 彼に聞いたら師匠はアラン・ドゥーソンという人だという。もちろん好きなドラマーはトニー・ウィリアムスなどなど。

ひとつ思いついたアイデア。クリスに「夜明けのトランペット」(ニニ・ロッソ)や「ライズ」(ハーブ・アルパート)をカヴァーしてもらう。このイケメンで「夜明けのトランペット」なんかを吹かれた日には、世の女性が黙っていないだろう。徹底したイージーリスニング路線が彼にはあうような気がした。一昔前にあった「ラヴ・サウンズ」的なサウンドだ。ケニーGのトランペット・ヴァージョンという位置付け。

バンドとしては、全員が自分のプレイに酔っている感じで、他のミュージシャンとのコミュニケーションがそれほどあるようには思えなかった。それぞれが自己陶酔という感じで、なかなかこちら側に熱いソウルは伝わってこなかった。ただ、黒さがなく、軽いので、イージーリスニングという的確なマーケティングを施せば、そこそこ売れるような気がした。音楽的には一般受けするのに、ちょうどよいさじ加減だ。それプラス、彼にはこの絶対的なルックスがあるし。

それと曲間の彼のトークは流暢でおもしろい。そんな話の中で、彼がニューヨークに住んでいたときの話もよかった。「マンハッタンのいわゆる食肉市場のところい住んでいたときのことだ。そこではみんな毎朝3時から11時まで、ごちゃごちゃ仕事をしている。だから、うるさくて、寝られない。ただ、雨などが降ると、仕事が休みになるらしい。ある朝、たぶん、1997年の1月か2月だったと思う。ふと気が付くと、いつも通りの喧騒がなかった。一体どうしたんだろう、と思ってカーテンを開けると、窓から一面の白銀の世界が広がった。それはそれは美しかった。その時に書いた曲だ」と言って演奏し始めたのが、美しいバラードの「アローン・イン・ザ・スカイ」という曲だ。97年の彼のアルバム『ミッドナイト・ウィズアウト・ユー』に収録されている作品だった。こうやって説明されてその曲を聴くと、不思議と白銀のマンハッタンの様子がイメージできてしまうから、言葉の力というの大きいな、とつくづく思った。

観客席も気持ち、女性の方が多いような気がした。すでに女心は掴んでいるようだ。プロモーションも女性誌を狙うといいと思う。


Setlist (incomplete)
show started 19.03

1. When I Fall In Love
2. Streets Ahead
3. A Thousand Kisses
4. Miami Overnight
5. My Funny Valentine
6. Alone In The Sky
7. Why Not
8. (bluesy song)

Enc. Theme From Cop

show ended 20.26

(2004年5月28日金曜、渋谷デュオ[DUO]=クリス・ボッティー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Botti, Chris

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
|Return|