NO.401
2003/10/01 (Wed)
"I'm Your Servant" Peabo Bryson Shook Hands With Every Audiences
僕(しもべ)。

「私はあなたの僕(しもべ)です」 客席全員との握手を約7分かけてやり終えたピーボはステージに上がってマイクを握るなり、こう言った。前々回のブルーノートのライヴ以来、ピーボは毎回ショウが始まると、客席全部を回り、そこに来ている人全員と握手をしてから歌いはじめる。なかなかできるものではない。お客様は神様です、を地で行くミスター・ジェントルマン。

いくつか初めて聴く新曲も含めてちょうど1時間20分。いつも思うことは、なんと声の美しいことか、ということ。一体この声のメインテナンスはどのようにしているのだろうか。本当に安定した発声、そして、完璧なディクション(発音)。簡単そうに歌い、しかしきっちり歌う。一流の野球選手が簡単そうにヒットやホームランを打つのと同じだ。歌のすべての基礎をしっかり身につけて歌うその姿は歌手の理想だ。

このところは、カヴァー曲の歌唱が目立つ。スティングの「イフ・ユー・ラヴ・サムワン」、アル・ジャロウの「アフター・オール」、「ブルーノートはジャズクラブなので、最低一曲はジャズをやってみたい、僕はジャズが好きだからね。ダイアナ・クロールのヴァージョンが気に入ってるんだ。そのダイアナのヴァージョンで歌ってみたい」と解説してちょっとジャジーに歌いだしたビリー・ジョエルの「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」。う〜〜む、バリー・ホワイト・ヴァージョンで歌ってもらうのも聴きたいが。このほかに、「ショウ・アンド・テル」(オリジナルはアル・ウィルソン)、「エイント・ノーバーディー」(ルーファス)などもカヴァー曲だ。

「ホール・ニュー・ワールド」を歌った女性シンガー、キム・ケイジ・ラリーも実にいい声。「ルックス・ライク・ラヴ・トゥ・ミー」を一緒に歌ったもう一人の女性シンガー、クリスティー・ウィリアムスもいい感じだ。さすがデュエットキング。いいパートナーを見つけてくる。ピーボはデュエットパートナーの僕でもあります。

「『テイク・ノー・プリズナー』のアルバムを録音するとき、あのすばらしいソングライター・チーム、バリー・マンとシンシア・ワイルが僕のために一曲書いてくれました。僕にとっては特別な曲なので、あんまりめったに歌いません。でも今日は、みなさんが僕にとって特別なので、歌います。これは悲しい歌です。痛みとは何かを教えてくれる歌なんです」という説明の後に歌われたのが「シーズ・オーヴァー・ミー」という曲だった。いい曲だ。

歌の途中でもどんどん観客席に降りてきて、ハグをしながら歌ったり、握手をしたり、これ以上サーヴィスはありえないというほどのサーヴィスぶり。アンコールの前の曲「アイ・ニード・トゥ・ノウ」ではお約束の赤い薔薇のプレゼント。手渡したり、投げたり・・・。ピーボはお客様の僕です。

(2003年9月30日火曜ブルーノート東京・セカンド=ピーボ・ブライソン・ライヴ)

(10月4日土曜までブルーノート東京)

ENT>MUSIC>LIVE>BRYSON, PEABO

タイトル: 赤い薔薇を配る観客の僕

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
|Return|