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ジェームス・ブラウン・ライヴ『動から静への瞬間移動』
ジェームス・ブラウン・ライヴ
『動から静への瞬間移動』
【2002年3月22日金曜・東京国際フォーラム、ホールA】

  「昔とったきねづか」でショウをこなしたチャック・ベリーに代
わって、御大ジェームス・ブラウンのショウタイムの始まりだ。い
つものようにまずバック・バンドのソウル・ジェネラルがウォーム
アップし、まもなくブラウンのショウに30年以上司会者として帯
同しているダニー・レイがステージに現れ、メンバー紹介と、ミス
ター・ブラウンのヒット曲の数々を連呼する。この日はずいぶんダ
ニーの司会ぶりが長かった。

  そして、ミスター・ブラウンが青いスーツを着て登場だ。まず第
一に、しばらく前までのショウと曲目・曲順を大幅に変えていた。
それまでは、「ゲッタップ・オファ・ザット・サング」、「リヴィ
ング・イン・アメリカ」あたりで始めて一気に観客をあおるパター
ンだったが、この日はなんと新ヴァージョンの「メイク・イット・
ファンキー」からのスタートだ。このロング・ヴァージョンの「メ
イク・・・」の中で、サックス・ソロ、バック・コーラス・グルー
プ、ビタースイートの紹介、しかも、ミスター・ブラウンのキーボ
ード・ソロまで組み込んだ。

  この日の圧巻は、9分近くに及ぶ「イッツ・ア・マンズ・マンズ
・ワールド」。「ソウル!  ソウル!」というかけ声によって導か
れた同曲のイントロ。そのかけ声は、手元にあったトランプを瞬時
にどこか離れたところに出してしまうマジシャンさながらの、「動
」の世界から「静」の世界への瞬間移動だ。途中に2度のストップ
・モーションをいれ、実にドラマティックに仕上げたこのヴァージ
ョンは、これまで見た「マンズ・ワールド」の中でもとりわけ印象
に残った。


【2002年3月22日、東京国際フォーラム、ホールA】

(吉岡正晴)

(2002年5月号・アドリブ誌に掲載)
    
MASAHARU YOSHIOKA
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