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ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(ヤン・キンケード)インタヴュー
ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(ヤン・キンケード)インタヴュー

『人生でもっとも驚いた瞬間』

【2003年2月12日】
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   お墨付き。

   ヤン・キンケードとサイモン・バースロウは4歳からの友達、ヤ
ンとアンドリュー・リヴィーは11歳からの友達。ロンドン郊外で生
まれ育った幼なじみ3人組が、音楽の名の元にひとつになった。い
ずれも1966年生まれの3人は、十代の頃からGQや、ジェームス・
ブラウン、マス・プロダクションなどのソウルやファンクのレコー
ドを買い漁り、趣味が昂じて85年自分たちのバンドを作った。それ
がブラン・ニュー・ヘヴィーズだ。

   ドラムスとヴォーカルのヤンが語る。「レコードを買い始めたの
は79年頃のこと。最初はその頃のソウルのレコードをたくさん買い
それからさかのぼってソウルのルーツ的レコードを買うようになっ
た。そしてまた新しいものを買ったりと新旧を行来するようになっ
た」

   レコード収集癖はとどまらず現在4-5000枚のアルバムとCDを持
つまでになった。

   「元々ジェームス・ブラウンとミーターズ(アメリカ南部ニュー
オーリンズを本拠とするファンク・バンド)が大好きで、そうした
サウンドを求めてバンドを作ったんだ。もし時間が戻れるなら、ジ
ェームス・ブラウンがライヴを録音した(63年)アポロ劇場の一番
前の席でジェームス・ブラウンを見たいほどだよ」

   バンドは、イギリスで90年代初期に巻き起こった「アシッド・ジ
ャズ・ブーム」(ジャズとソウル、ファンクなどがミックスしたバ
ンドのブーム)に乗り一躍脚光を浴びた。彼らのデビュー作では、
ミーターズ風サウンド、JB風サウンドがふんだんに聴かれる。以
後、彼らは精力的にライヴ活動を続けながらアルバムを発表する。

   新作『ウイ・ウォント・ストップ(我々はやめないの意味)』は
前作『シェルター』から約6年ぶり。「今回のアルバムは約1年半
かけて作った。急いで作ったわけではない。自分たちがいいと思う
ものができるまでは、何度でもやり直したよ」

   8年ほど前、彼らがジェームス・ブラウンの前座を担当すること
になった。ヤンは興奮しながら思いだす。「その時、僕たちがリハ
ーサルをしていたら、『いいじゃないか』って後ろから声をかけら
れた。僕はそれが誰かわからず、ただ振り向いた。そうしたら、そ
こにゴッドファーザー・オブ・ソウルが立っていたんだよ!    も
う、僕のそれまでの人生で一番びっくりしたね。それから緊張して
ね。  (ブラウンとは)話しなんて、ほとんどできなかったよ。た
だ、『ありがとうございます』って言うのが精一杯だった」

   JBのレコードを聴き、バンドを始めた彼らが、そのJB本人か
らお墨付きをもらった瞬間だ。

(吉岡正晴)

(毎日新聞2003年2月15日付け夕刊、楽庫に掲載)
(新聞では『コレクター趣味昂じ』のタイトルがついています)

(2003年2月18日アップ)
    
MASAHARU YOSHIOKA
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