ENTERTAINMENT>MOVIE>SHAFT
映画『シャフト』
映画『シャフト』
(2000年10月・記)
(コラム・タイトル)
『オレの名は?』
シャフトSHAFT<= go to Amazon.co.jp


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 'What's my name'(「オレの名は?」) 71年に公開された『シャフト(黒いジャガー)』は、3作まで 制作された人気シリーズ。その2000年版は、スケールアップし ての登場だ。かっこよくて女にもてもての私立探偵ジョン・シャフ トを当時はリチャード・ラウンドトゥリーが演じていたが、新作で は、今だったら間違いなくこの人物、ドンピシャのサミュエル・ジ ャクソンがやる。 ドラムスのハイハットがシャカシャカいうテーマ曲が流れて来る と、ジョン・シャフトの登場だ。この音でシャフトっていうのは、 まさにパブロフの犬と一緒で、いやあ、かっこいい、かっこいい。 目一杯正義感が強くて、弱い者の味方。 悪党を捕まえて、「ホワッツ・マイ・ネイム(オレの名は)?」 とドスをきかせる。相手はびびりながら、「ジョン・シャフト・・ ・」と答える。昔のシリーズと同じだ。 物語は、白人ばかりのバーにやってきた黒人にからんだ人種差別 主義者の白人が、その黒人を殺したところからはじまる。だが、そ の白人は超金持ちの不動産王の息子で、逮捕されても保釈金を払い 国外へ逃亡してしまう。正義感の強いシャフトは、じくじたる思い で、釈放を見守る。2年後。その息子が極秘裏に帰国する情報をつ かんだシャフトは、彼を逮捕するものの再び保釈されてしまう。激 怒したシャフトは、警察官バッジを裁判官に向かって投げ付け、警 官をやめ一個人としてケリをつけることを決意する。 いくつかいいシーンがあったが、このシーンは、めちゃくちゃか っこいい。シャフトらしくて最高だ。たぶん、アメリカの映画館だ ったら、ここで「ワオ」だの拍手だの、口笛などが巻き起こるに違 いない。名シーンとして後世まで語り継がれるだろう。 気に入ったセリフがふたつあった。 シャフトがバーで女性バーテンダーに言い寄られるときの彼の一 言。「It's my duty to please your booty 」。字幕は忘れたが、 このセリフがしゃれてる。解説するのはちょっとださいがdutyとbo oty が韻を踏んでる。で、意味は「あんたのケツを喜ばせるのが、 オレの仕事だからな」ときたもんだ。 もうひとつ。シャフトが悪党をやっつけたときの捨てゼリフ。「 It's Juliano town」。字幕はおとなしかったが、直訳すると「ジュ リアーノの街だからな」 ジュリアーノさんがニューヨークの市長になって以来、ニューヨ ークの治安は見違えるほどよくなった。ということで、このセリフ になる。 オリジナル・シャフトことリチャード・ラウンドトゥリーもアン クル・ジョンの役で登場。『ボーイズ・ン・ザ・フッド』で衝撃的 監督デビューを飾ったジョン・シングルトンの、うれしい配慮だ。 『スパイ大作戦』などでも、オリジナルのジム(ピーター・グレイ ブス)あたりをどこかにキャメオ出演させてもいいと思うが、そう いう配慮がなかった。シャフトの相棒にこのところすっかり映画づ いているヴァネッサ・ウィリアムス、バスタ・ライムスらが共演。 シャフトの元に家庭内暴力の被害を訴えにきた女性を、彼はもう 警察をやめるからと当初は断る。だが、サングラスを取った彼女の 顔はひどい傷だらけ。それを見た瞬間、ハイハットの音が流れ、「 シャフトのテーマ」がかぶさってくる。「シャフトの登場!」だ。 音でシーンを作った瞬間だ。うまい。 テンポのよい1時間39分。映画はこの程度の長さがやっぱりい い。意外とカルト・ムーヴィーっぽくリピーターが生まれるかもし れない。 (2000年10月・記) (2002年9月3日アップ) (吉岡正晴)
MASAHARU YOSHIOKA
|Return|