○オリト・トリビュート・ライヴ

○Orito Tribute Live@ Shibuya Duo

【オリト・トリビュート・ライヴ】
トリビュート。
2008年2月23日、43歳の若さで急逝したシンガー、オリトをしのぶトリビュート・ライヴ。オリトにゆかりあるアーティスト、なんらかの関係のあるアーティストたちが集まりオリトの作品、オリトがカヴァーしていた作品などを歌った。途中には、オリト本人のライヴ映像なども流れた。
3時間超のイヴェントは、会場の渋谷デュオも座席を作り満員。基本的には、オリトと縁のあった星川薫さんがリーダー的存在のバンド「ワイルド・ダンデ・ライオン」がハウス・バンド的に演奏し、それにあわせて各シンガー、ラッパーなどが歌ったりした。
ガッツは、「オリトさんがレコード発売のコンヴェンションをライヴハウスでやったときに、僕はたまたまそこで(まだミュージシャンとしては駆け出しで)ウエイターのバイトをしていました。そのとき、オリトさんと盛り上がり、なぜか打ち上げまで一緒に行ってカーティス・メイフィールドの話をしたことを覚えています。その後、ライヴなどでご一緒するようになりました。今日は、オリトさんも歌っていたこの曲を彼に送ります」とちょっとした思いで話をして、得意の「ピープル・ゲット・レディー」を熱唱した。さすがに歌いこんだだけのことはある。それをガッツはオリトに向けてソウルを込めて歌った。この曲の後半あたりから、かなり客席が熱くなり、ガッツはぐっと観客を惹きつけた。
この後、空気を熱くしたガッツに紹介されて村上てつやが登場した。何も語らずいきなり「エイメン!」とアカペラで歌い出した。観客を巻き込んだ「エイメン」を終えるといきなり、「1-2-3-4」のカウントで「レッツ・ステイ・トゥゲザー」へ突入。途中メロディーに載せてアドリブで「きっと、あっちで歌い続けているだろう、I know, you know… You send me、君の好きな歌だよ…」 ところどころの節回しにアル節だけでなく、ファルセット系、さらにサム・クック節まではさむ。「オリト~~」と歌い、観客にそれを歌わせる。見事なコール&レスポンス。
さらに語りで、「オレたちもメンフィスのロイヤル・レコーディング・スタジオに行って、(メンフィスの大御所プロデューサー)ウィリー・ミッチェルに会った。そのとき彼は言った。『オレのフェヴァリット・シンガーは…キ・ヨ・シ・ロー!』 そして、もう1人名前を言った。『オ・オ・オ・オ・オ・リ・ト~~』! うらやましかったぜ。悔しかったぜ」とやった。お見事。
ここまでソウルマンになりきるか、村上てつや。彼のソロ・ライヴでもここまでのソウルなりきりは見たことがなかった。やはり3時間超の密度の濃いライヴを年間50本以上はだてではない。ライヴ・シンガーとしてのミュージシャン力が圧倒的だ。この夜、一番長い拍手を得たパフォーマンスだった。なぜ、ゴスのライヴでこれがでない? (笑) おっと、「ソウル・パワー」で炸裂してくれるだろう。
また、オリトがビデオ・ライヴの中で、やはり音楽に載せて語りを聞かせていたところも興味深かった。
彼は、初めてメンフィスに行ったときに、ロイヤル・スタジオに出入りするギタリストと知り合い、そのギタリストにデモ・テープを聞かせたところ、「これはすごい、お前は絶対ウィリー・ミッチェルと契約できる。ぜひ、ここで録音しろ」と言われた。大喜びのオリト。「だがそのためには金が要る」と言われたので、オリトは1年か2年一生懸命働いて金を貯めた。その間も、オリトはギタリストにゴキゲンをとる手紙を送り続けた。130万か150万くらい貯まったところで、そのギタリストに送金した。ところが、その男が金を持ち逃げしてしまった。金もなくなり、レコーディングもできなくて、もう情けなくて、情けなくて、悔しくて、泣いた。音楽を止めようかとも思った。だが、そこで、一念発起、そんな事情を書いてウィリー・ミッチェルに手紙を送った。ウィリーは、「その男は知っている。首にした。だが、残念ながら(我々は)金は受け取っていない。でも、とりあえず、(メンフィスに)来い」と言ってきた。周りの友達はみんな、そんな話はやめておけ、危ないぞ、とメンフィス行きをとめた。でも、結局、オリトはメンフィスに行って、いま、こうしてここにいる…。
すごい話だ。こんなことがあったとは知らなかった。3時間のライヴの締めはオリト本人の「感謝の歌」をオリトの歌声と、さらに参加者全員で歌った。最後にふさわしい楽曲だった。そして、打ち上げはライヴ会場からすぐの、オリトをデビューさせた最初のディレクターだった森元さんがやっているソウル焼き鳥屋「モリゲン」だ。オリトも今夜は焼き鳥で乾杯か…。みなさん、おつかれさま。
■ 出演者
ザ・ワイルド・ダンデ・ライオン
星川薫(ギター)、池間史規(ベース)、三浦晃嗣(ドラムス)、中道勝彦(キーボード)、トミカ(歌)、高橋篤(歌)
シュガー・ピンプス、フリーファンク、チャカ、タイラヨオ、L.L.ブラザース、
青山陽一、シュウタロウ、DJ 刃頭、ガッツ、アイク、DJハセベ、シーダ、木村佳代子、高瀬順、村上てつや、ジェイディー、ミチコ、T・クラ
■セットリスト オリト・トリビュート・ライヴ2008イン東京
Setlist: Orito Tribute @ Shibuya Duo, July 15, 2008
Show started
00. VIDEO
01. 大丈夫大丈夫 (フリーファンク)
02. I Can’t Stand The Rain (フリーファンク)
03. ありがとう (タイラヨヲ)
04. メイフィールド (シュガー・ピンプス)
05. Our Beat (シュウタロー + アイク)
06. DJ Feelgood (DJハセベ +シュガー・ピンプス)
07. (ラップ&DJ)(シーダ)
08. VIDEO: Banana Boat Song (Day-O) (オリト)
09. Black Cat Walk (The Wild Dande Lion)
10. Plain Ol’ Funky Song (木村佳代子+高瀬順)
11. Why? (ジェイディー=Jay’ed)
12. Superfly (青山陽一)
13. Ex-Life (シュガー・ピンプス + トミカ)
14. People Get Ready (ガッツ=Gatz)
15. Amen (アカペラ)(村上てつや+ガッツ、ほか全員)
16. Let’s Stay Together (村上てつや+ガッツ+チャカほか全員)
17. VIDEO: Let’s Get It On (オリト)
18. VIDEO : グッチ裕三、ブラザー・トムのコメント
19. Get It Poppin’ (L.Lブラザース)
20. Big Butt G-Cup (L.Lブラザース)
–  トーク(L.Lブラザース、ミチコ、T.クラ)
21. ひまわりの花(アカペラ) (チャカ)
22. Bridge Over Troubled Water (チャカ)
23. VIDEO + LIVE 感謝の歌 (オリト+全員)
Show ended 21:58
(2008年7月15日火曜、渋谷デュオ=オリト・トリビュート・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Orito Tribute Live
2008-120
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