★レイラ・ハザウェイ~ダニーに抱きしめられて

★Lalah Hathaway : Standing In Her Own Light

【レイラ・ハザウェイ~ダニーに抱きしめられて】
解釈力コスモス
2006年2月以来、2年3ヶ月ぶりの来日。前回来日の後、ついこの5月3日に日本先行でレイラの新作『セルフ・ポートレイト』(全米は6月3日発売)がリリース、その新作からの曲も交えながらのライヴとなった。
バンドは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、コーラス2人の6人にレイラという布陣。レイラの歌声はいつもながらに素晴らしい。僕はなにより彼女のこの低い声が大好き。
この日、下記セットリストでもっともよかったのは、ルーサー・ヴァンドロスの「フォーエヴァー・・・」、そして、スタンダードの「サマータイム」。ここでのスキャットなんかは(バックコーラスとのやりとりも含め)、シンガーとしての底力を見せる。やはり楽曲の解釈力がひじょうにあるので、いい楽曲にめぐり合うと、そのシンガーとしての素晴らしさが突出する。
しかし、前回ライヴ評でも書いたが、1曲が各ミュージシャンにソロパートを与えすぎるあまり、長くなりすぎる。75分程度で9曲なので実質1曲あたり8分を超える。全部5分以内にまとめるとすばらしいものになるだろう。1曲5分にしたら15曲歌える。もちろん1-2曲でソロパートを与えるのはいいと思うが。
僕は彼女がジョー・サンプルと作ったアルバム『ソング・リヴズ・オン』が彼女の最高傑作だと思う。あのちょっとフュージョンがかりながらも、ソウルフルな魅力がちりばめられている、あのさじ加減がパーフェクトなのだ。最新作も概ねその路線を意識したものだと思うが、CDがあれだけいいだけにライヴもより高みを求めてしまう。ライヴでは若干曲調が単調になり、一本調子になる。各曲はレイラのパフォーマンスも悪くはないと思うので、おそらく曲の並べ方に一考の余地があるのだろう。セットリストの命は、曲順だ。たぶん、ある程度のセットリストを決めておき、その場でのりで曲順を決めている。また、この日は観客ののりもおとなしかった。
刺青(いれずみ)宝石ブルー
さて、ライヴ後はサイン会も。かなりの人がCDを持って並んでいたが、すごい人に出会った。なんと、ファンの1人が右腕にダニー・ハザウェイの見事な刺青をしていて、それをレイラに見せたのだ。彼の名はタカさん。最初、ダニーのベスト・アルバムを聴いて衝撃を受け、それから彼のアルバムをすべて揃えて聴き込んでいるという。歌手ではないが、好きでよくカラオケなんかで歌ったりはするそうだ。目黒の刺青師のところで4時間ほどかけて彫ってもらった。この顔のもとになったのは、レコードなどにある写真。そして、絵の下に、[Someday We’ll All Be Free]と文字が書かれている。
[レイラとタカさん]
レイラもこれには驚き、一緒に写真を撮って!と盛り上がった。今回のツアーにレイラは母を連れてきていた。「ママを呼んで」とレイラはスタッフに告げた。そしてママもこれを見てびっくり。
[レイラのお母さんとタカさん]
レイラのライヴは? とタカさんに聞くと、「初めて」とのこたえ。「当然、ダニーのライヴは見たことないですよね」 「はい、生まれてませんから。彼が亡くなったのは79年でしょ。僕は83年生まれです」 彼は新宿のバーで仕事をしている、と言った。「ソウル・バーですか?」と尋ねると、「いえ、普通のバーです」と答えてくれた。
[Donny On His Arm]
■ レイラ・ハザウェイ過去関連記事
February 04, 2006
Lalah Hathaway: Some Songs Were Too Long
http://blog.soulsearchin.com/archives/000809.html
前回来日ライヴ評。
1999年6月8日
ジョー・サンプル&レイラ・ハザウエイ・ライヴ評。『魔術師の指』
https://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/sample19990608.html
アルバム『ソング・リヴズ・オン』発売後のライヴ。
2003/02/15 (Sat)
Barefoot Diva:Lalah Hathaway「裸足のディーヴァ:レイラ・ハザウェイ」
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200302/diary20030215.html
2003年来日時ライヴ。
2003年2月14日
https://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/lalah20030214.html
レイラ・ライヴ評。新聞用とオルタナティヴ・ヴァージョン。
2003年4月30日
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030430.html
レイラのウェッブから。Knocking on Father’s Door (レイラが父ダニーの作品をどう思っているかなどについて)
2003年8月19日
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200308/diary20030819.html
レイラ、マーカス、テイク6らのライヴ評。レイラ、「サムデイ・ウィル・ビー・トゥゲザー」を歌う
2004/05/11 (Tue)
As If Two Hathaways As One: Lalah Hathaway & Frank McComb Live
https://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/lalah20030214.html
レイラ&フランク・マッコムのライヴ評

■ レイラの傑作 『ソング・リヴズ・オン』(1999年作品)(ジョー・サンプル作品にゲスト)

ソング・リブズ・オン
ソング・リブズ・オン

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■ メンバー
レイラ・ハサウェイ/Lalah Hathaway(Vocals)
マイケル・アーバーグ/Michael Aaberg(Keyboards)
エロール・クーニー/Errol Cooney(Guitar)
ディヴィッド・ダイソン/David Dyson(Bass)
エリック・シーツ/Eric Seats(Drums)
ジェイソン・モラレス/Jason Morales(Background vocals)
トニー・スクラッグス/Tony Scruggs(Background vocals)
■セットリスト レイラ・ハザウェイ
Setlist; Lalah Hathaway @ Billboard Live, May 13, 2008
Show started 21:31
01. Let Go [From new CD “Self Portrait”]
02. Breath [From new CD “Self Portrait”]
03. Better & Better
04. Tragic Inevitability [From new CD “Self Portrait”]
05. Summertime
06. That Was Then [From new CD “Self Portrait”]
07. Forever, For Always, For Love
08. It’s Something
Enc. Street Life
Show ended 22:47
(2008年5月13日火曜、ビルボード・ライヴ=レイラ・ハザウェイ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hathaway, Lalah
2008-79
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