●# アンドリュー・ラヴ追悼~オーティスの「トライ・ア・リトル・テンダーネス」

[2012/04/24]

●# アンドリュー・ラヴ追悼~オーティスの「トライ・ア・リトル・テンダーネス」
【A Tribute To Andrew Love of Memphis Horns】
追悼。
2012年4月12日に70歳で死去したメンフィス・ホーンズのアンドリュー・ラヴについて、アメリカのロスアンジェルス・タイムズ、ニューヨーク・タイムズがそれぞれ記事を配信した。それぞれ周辺取材をしての良い記事だったので、簡単にご紹介しよう。
Andrew Love dies at 70; Grammy-winning saxophonist
By Randy Lewis, Los Angeles Times
April 14, 2012, 3:58 p.m.
http://www.latimes.com/news/obituaries/la-me-andrew-love-obit-20120414,0,7128536.story
Andrew Love, Tenor Saxophonist for the Memphis Horns, Dies at 70
By DOUGLAS MARTIN
Published: April 14, 2012
http://www.nytimes.com/2012/04/14/arts/music/andrew-love-saxophonist-with-the-memphis-horns-dies-at-70.html?_r=1
アンドリュー・ラヴ(メンフィス・ホーンズ)、70歳で死去~裏方の匠
2012年04月16日(月)00時01分
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11223452899.html
メンフィス・ホーンズは、現在はアンドリュー・ラヴ(サックス)とウェイン・ジャクソン(トランペット)の二人。ウェインは今年(2012年)2月、グラミー賞から「ライフ・タイム・アチーヴメント(生涯功労賞)」を授与されることになったという連絡をもらったとき、とても複雑な気持ちになった、という。それは、半世紀もともにプレイしてきたアンドリュー・ラヴがアルツハイマーのために、一緒にその席に立てないことがわかっていたからだ。
しかも、そのほんの数日前に、アンドリューの家族が、彼のアルツハイマーを公表していた。
ウェインは彼と相棒のアンドリューの功績を音楽業界が称えてくれることに、涙ながらに感謝した。彼らがバックをつけたアーティストは、オーティス・レディング、アリーサ・フランクリン、アル・グリーン、サム&デイヴ、ウィルソン・ピケットからエルヴィス・プレスリー、U2、ニール・ヤング、ウィリー・ネルソン、ロバート・クレイまでジャンル的にも多岐にわたる。
ウェインはアンドリューの死去する2週間ほど前にアンドリューを訪ね、二人がグラミーのトロフィーを持ち写真に収まった。
ウェインは、「僕たちが生み出したサウンドは、ほんとに素晴らしかった。みんなそれがわかっていた。これ以上できないこともわかっていた。だから、ずっと一緒にいたんだ。僕たちにとって、(ホーン・セクションをプレイするのは)息をするのと同じくらい自然なことだった」
彼らはロック殿堂入りした30人以上のアーティストたちのバックをつとめている。14曲のグラミー賞獲得曲でプレイし、52曲のナンバーワン・ヒット、113曲のトップ10シングルでプレイしている、という。
彼ら二人、もしくは単独で、83枚のゴールド、プラチナム・ディスクに参加、売れたアルバムは4000万枚を超える。
彼らは二人だけでも、フル・ホーン・セクションのように聞こえるようレコーディングしていた。
スタックスのコ・オウナー、アル・ベルは言う。「彼らなしにスタックスはいまあるような形にはなっていなかっただろう。私はサックス奏者が大好きだ。私のもとにはたくさんのサックス奏者をかかえ、みな高く評価していたが、アンドリュー・ラヴほど僕を奮い立たせてくれるようなサックス奏者はいなかった。彼のスピリットゆえだと思う。音楽の中にそれを感じる。彼のプレイはリスナーの奥底に眠る深い感情を目覚めさせる。しかし、それをやさしく、ソフトにやってくれる。リスナーのソウルとメイク・ラヴをしているかのようだ」
また、白人のウェインと黒人のアンドリューという人種を超えた組み合わせは、特に1960年代には周囲から厳しい目でみられたこともあったという。それを乗り越えて二人は友情を培っていった。
ウェインが初めてアンドリューを見たのは、メンフィスのマンハッタン・クラブという店。その時点でウェインはマーキーズのメンバーだった。ウェインは「初めて二人でプレイしたときのことをよく覚えている。僕たちの音のトーンがすごくよくブレンドしたのが気に入った」と振り返る。
~~「トライ・ア・リトル・テンダーネス」誕生秘話~~
イントロ。
グラミー授賞式で、ウェインは盟友ブッカーTジョーンズからこの賞を受け取った。そこで、ジョーンズはオーティス・レディングの「トライ・ア・リトル・テンダーネス」のレコーディング・セッションのときの思い出を話した。
「オーティスは、このロマンティックなスロー曲のイントロを典型的な南部のバラードを思わせるホーン・セクションで始めたいと言った。最初はとてもシンプルなリクエストだと思ったが、音楽的可能性を無限に追求する迷路に入ってしまった。この音かその音か。ユニゾンで始めて、ハーモニーにするのか。どこを盛り上げ、音を小さくするのか」
「オーティスのじっくりした歌の間中、ゆったりとホーンが始まり、オーティスはそのメロディーに呼応する。他のミュージシャンのアイデア、僕のアイデアなどがいろいろと試される。取り入れられたり、ボツになったり、ときにはほんの数分でできたり、一時間以上かけてやっとできたり、そのプロセスを僕は見てきた。だが、シンプルで美しいこそ価値のあるものとして残った。結局この熱いエモーショナルなフレーズができあがったんだ」
「イントロではかれらのホーン・セクションしかない。これは間違いなく歴史的な、そしてもっとも感動的なイントロになっており、オーティスの切ないヴォーカル・パフォーマンスに花を添えている」
2月のグラミーの授賞スピーチで、ウェインはこう言った。「(メンフィス・ホーンズとしての40年以上の体験は)本当に素晴らしい、夢のような旅でした。素晴らしい時間でした」
■ アンドリュー・ラヴ・トリビュートの「ソウル・サーチン」(約30分、4月15日放送)
http://soundcloud.com/soul_searcher_2/01ss20120415
■オーティスの名曲「トライ・ア・リトル・テンダーネス」。オルガンがブッカーTジョーンズ、ドラムスはアル・ジャクソン。
http://youtu.be/ojnDaqaEg3E

ライヴ・ヴァージョン。
http://youtu.be/dael4sb42nI

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■サム&デイヴ「ホールド・オン・アイム・カミング」 一瞬、アンドリューらしき人物が映る。
http://youtu.be/fN4DHY_9gOs

OBITUARY>Love, Andrew
ARTIST>Love, Andrew
SONG>Try A Little Tenderness