◎ダンスの可能性を無限にするケント・モリ・ライヴ・パフォーマンス

◎ダンスの可能性を無限にするケント・モリ・ライヴ・パフォーマンス
【Sky’s The Limit: Kento Mori’s Dance Performance】
無限。
ダンスでどこまで表現できるか、ダンスで何が表現できるか。ダンスでどこまでストーリーを語れるか。ケント・モリはそれを究極まで追求する。そのメッセージは、マイケル・ジャクソンが掲げるものと同一線上にある。
今回のケント・モリの名実ともに初のフル・ソロ・ライヴは、彼がこれまでにアイデアを暖めてきたものを総動員し、集大成して、作り上げたものだ。もちろん、そのルーツ、出発点にはマイケル・ジャクソンという存在が厳然としてある。何しろ、子供の頃、マイケルのビデオを見て、あこがれ、あんな風に踊ってみたいと思って、ダンスの道に進んだ。そして、いつしかマイケルが掲げるメッセージを知るようになり、自分自身もそうしたメッセージをダンスで伝えて行きたいと思うようになった。それは特に『ディス・イズ・イット』ツアーのオーディションに合格しながらも、そのツアーに出られなかった忸怩(じくじ)たる思いがマグマとなって大きな活火山になったともいえる。
ケント・モリは言う。「ダンスは地球のみんなをつなぐもの。それは人間本来にみなあるもの。ダンスを通じて、さまざまなメッセージを伝えたい」
初めて2012年3月24日そのフル・ショーを見て、僕は暗転の数から9か10のシークエンス(場面)があるのかと思ってケントに尋ねると、これは6つのシークエンスに分かれている、という。その6つとは、最初と最後が「夢Dream」と「愛Love」、その間に「喜怒哀楽」の4つの場面があるという。それを聞いてなるほどと思った。
彼によれば、2011年12月に行われた「マイケル・トリビュート」では約30分のショーだったが、今回は100分を越すフル・ショー。やりたいこと、やらねばならないこともたくさんあった。
「喜び」部分は、彼の誕生から、音楽、ダンスに魅せられて今日いたるまでのケント・モリの人生のフラッシュだ。その過程でケントがダンスの中に喜びを見出し、またダンスから生み出される喜びを表現する。
喜怒哀楽の4つのシーンでは、特に「怒(怒り)」の部分はここだけで20分近くあり、もっとも力が入った部分となった、という。これは地球の怒りなどを表現している。
また哀愁の「哀」の部分はケント・モリの実の妹愛理を大々的にフィーチャーしたコーナー。彼女はシンガーを目指し、がんばっている。
「楽」の部分は一番楽しいシーン。ビートのきいた曲でみんなが楽しく踊る、という部分だ。ダンスの楽しさを存分に表現している、一番ダンサーらしさの出ているシーン。
最後の「夢」の部分は、まさに多くの人たちと夢を共有しようというシーン。「ウィ・アー・ザ・ワールド」のメッセージそのものが、ダイレクトに表現される。ここでは、ダンサーが世界各国の衣装を身にまとって出てくるが、これは人種も国籍も、またそれぞれの文化や習慣などが違っても、ダンスのもとにひとつに、私たち、僕たちがみんな自身そのものが世界なんだ、というメッセージを語りかけている。
こうした解説があると、実にそのストーリーがよく入ってくる。ケントはこの簡単な内容のパンフレットが用意されていると思ったそうで、それを知ってもらえるとひじょうに嬉しいと言っていた。
伝道師。
これだけのスケールのもので、ストーリー性があるものだと、たとえば毎年1回全国何箇所か回るツアーをして、10年くらいは行けるのではないだろうか、と思った。もちろん、毎年マイナー・チェンジしたりしてヴァージョン・アップして、より磨きをかける。最終的には、常設ライヴハウスなどができたら素晴らしい。ケントによれば、「アイデアはいくらでもあるんですよ」という。そのほとばしるアイデアをいかにして具現化して、それを多くの人々に見せられるか。それが今後のテーマだ。
たった一人のダンス・パフォーマーが、その名前において、これだけのライヴをやってしまうのだから、これは大変なこと。一人のダンサーが自分の冠でコンサートをやるなんて、なかなかできない。
ダンスという芸術形態の位置づけは、たとえば、歌というものがメッセージをダイレクトに言葉によって伝えるものとすると、楽器によるインストゥルメンタルは音色、奏法などでなんらかの主張やメッセージを伝えようとする。よくギターが泣く、サックスがむせび泣く、ピアノがストーリーを語る、などと表現されることがあるが、ダンス・パフォーマンスというのは、ちょうどそんな歌と楽器演奏の中間くらいにあるような気がする。楽器演奏より、さらにわかりやすくメッセージを語ることができ、伝えられる。それは体の動き、顔の表情、ジェスチャーなどで物語を伝え易いからだ。
そういう意味でも、ケント・モリがこうしたストーリー性のあるライヴ・ショーを繰り広げられるというところが何より素晴らしい。言葉や歌を使わないダンサーでも、メッセージを伝えることができるのだ。
もうひとつ、今回のライヴを見て感じたのはケント・モリが子供たち、若いダンサーを使いこなすのが実にうまい、ということ。こうした子供たちのダンサーたちが、ケント・モリみたいになりたいと熱心に踊り続ければ、日本のダンス・シーンもものすごく活発化し、盛況になる。今年から義務教育内体育の時間で、ダンスが必修のひとつになるので、ダンスというテーマはこれからの若い人たちの基礎教養になっていく。
なんの分野でも、たとえば、スポーツ(テニスやマラソン、サッカーなんでも)でも一人スターがでてくれば、そのスターを追う若者が次々と登場する。ケント・モリはそうした日本を代表するダンサーの一人として、ひじょうにぬきんでた存在になっている。野球でいえばイチロー、テニス界の錦織、サッカーでいえば、中田や多くの海を渡った選手たちなどがそれにあたる。
まさに、夢と愛、そして、喜怒哀楽のメッセージを放ったケント・モリは、スピリットの点で広い意味での愛の伝道師だ。
2010年02月09日(火)
ケント・モリ~その存在理由
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10454316988.html
2010年05月25日(火)
ケント・モリ自伝『ドリーム&ラヴ』2010年6月25日発売
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10544121365.html#main
☆ケント・モリ『情熱大陸』放映~ドキュメンタリーとは
2012年01月17日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11137459054.html
■ケント・モリ著

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■KENTO MORI 1st DANCE LIVE 【DREAM & LOVE】
2012年3月24日(土) 18:00
2012年3月25日(日) 1st 14:00 / 2nd 18:00
会場 恵比寿 The Garden Hall
■ メンバー
KENTO MORIケント・モリ
クール・ミント・クルー
コーキ、ミホ・ブラウン、ミキ、ナミJ、リッキー(プレイボーイズ)、リッキー&ユメリ(リスペクト)、サカクラカツミ、ユースケ、ほか全国のキッズダンサー22名
http://www.parco-play.com/web/page/information/kentomori/
■ セットリスト
Setlist : Kento Mori, March 24, 25, 2012
(下記の今回のセットリストは、見てメモから起こしたもので、完全なものではありません。参考程度までにごらんください)
Show started 18:00
Sequence 1 夢
01. (Inst)
02. Michael Jackson
03.
04.
Sequence 2 喜
01. Superman
02. Into Groove
03. Bad
04. Bat Dance
05. Vogue
06. Rhythm Nation 1619
07. Xcape
Sequence 3 怒
01. バレエダンサー

02. Earth Song [Michael Jackson]
Sequence 4 哀
01. あなたのためなら(アカペラ) [Airi Mori]
02. Billy The Lover

01. Can You Handle It [Usher] (Girl Hunting)
02. Light Down Low [Bobby Valentino ] (Kento+girl on stage)

01. I’m Ready [Airi Mori]
02. I Miss You
Sequence 5 楽
01. Yeah Yeah Yeah [Chris Brown]
02. Turn Up The Music [Chris Brown]
03. Volcano
Sequence 6  愛 Love
Video Samurai (Red Warrior)
01. Beautiful People
Ending: We’re The World
Show ended 19:45
(2012年3月24日土曜、25日日曜、恵比寿ガーデン・ホール、ケント・モリ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Mori, Kento
2012-

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