◎ フィリップ・ウー&ニューヨーク・オール・スターズ・ライヴ~BPM低くても踊れる黒いグルーヴ

◎ フィリップ・ウー&ニューヨーク・オール・スターズ・ライヴ~BPM低くても踊れる黒いグルーヴ
【Philip Woo & New York All Stars Live】
黒さ。
日本を代表するソウル・マン、久保田利伸のバックをファンキーに支えるフィリップ・ウーをはじめとするニューヨーク・ブラザーズ&シスターズたち。彼らは今週・土日(1月21日、22日)の久保田ライヴ終了後、帰国の途につく。そこで、今回と翌日六本木アルフィーでのライヴがファイナル・ライヴ。
いやあ、それにしても、密度の濃い素晴らしいライヴだった。もうまるで、ニューヨークあたりのライヴハウスにいるような錯覚に陥る。なにしろ、ラルフ(ドラムス)、クリフ(ベース)、フィリップ(キーボード)、マサ(ギター)の作り出すグルーヴ感は見事だ。そしてこれに乗るタイとフェリシアのヴォーカル。なんのトリックもなく、1曲1曲ていねいにプレイするまさにソウル・ショー。
タイの歌うダニー・ハサウェイ・ソング、フェリシアのアリーサ・フランクリン、シャカ・カーン・ソングも白眉。そしてバンドがとてつもなくファンキーになるテンプスの「シェーキー・グラウンド」「ドクター・フィールグッド」のブルーズ・フィーリング、オハイオ・プレイヤーズの「レッツ・ラヴ」など、BPMが低くても(テンポが遅くても)、踊れてしまうこのグルーヴ感は、もうほんとに見事としかいいようがない。
「ドクター・フィールグッド」なんか聴いていると、この「黒さ(Blackness)」は一体どうやって出るのだろうと、つくづく考えてしまう。バンドが生み出す黒さって、頭で考えてもなかなか出せるものではない。
選曲はいつもながらに、フィリップの「オタク」ぶりが出ているが、ケニー・バークの「ライジン・トゥ・ザ・トップ」には驚いた。メアリーJブライジなどのサンプリングで、今の若い人にも支持されているが、これをこんな生で聞けるなんて。しかも、クリフのベースのノリがなかなかいい。こんなに遅いテンポでも観客はほぼ総立ちでゆったりと踊っている。途中に、マクファーデン&ホワイトヘッドの「エイント・ノー・ストッピン・アス・ナウ」などもマッシュアップしてしまうところが、またにくい。
ファーストの最後に、「(会場の)どこかにライターのヨシオカがいるが、彼とはよく古いソウル・ヒットの話をする。僕も『オタク』だが、彼は僕以上に『オタク』で、これは彼のリクエストでやります。一発屋(これ、日本語)のサウス・ショア・コミッション、1975年のヒット、『フリーマン』」と言って、これをやってくれた。前回のライヴのときに、彼らがこれをやって、ものすごくよかったので、再度リクエストしたのだ。今回も、途中にラルフとのやりとりや、ソロ回しもあり、もうまるで自分たちの楽曲のよう。リズム隊のノリも抜群で、元々ディスコ・ヒットだったが、ポップでキャッチー、グルーヴも十分で、最高ののり。たぶん、フィリップが言うようにほとんど知られてないと思うので、「ニューヨーク・オール・スターズの曲」、「自分たちの曲」のような顔をして、毎回演奏していったら、「彼らのヒット」となって盛り上がると思う。僕なんか、翌日でもこのベースのリフが頭の中をぐるぐる回ってる始末。
今回デュエット曲は2曲。最初がビリー・プレストン&シリータの「ウィズ・ユー・アイム・ボーン・アゲイン」、もう一曲がマーヴィン&タミーの「ユア・プレシャス・ラヴ」。どちらもうっとりする。次は、二人でルーサーの「フォーエヴァー…」をデュエットにして歌ってもらいたい。ソウルメイトのルー軍団は、ちょうど大学時代のダンスパーティーで「ウィズ・ユー…」がチークタイムの定番になっていて、あの頃が思い出されて、大感激したと言っていた。
それにしても、全曲いちいち解説したいほど、いい選曲で楽しめた。
この日は、久保田利伸さん、お忍びで観戦。でも、あのアフロがシルエットで見えたようで、ファンに発見されてしまった模様。(笑) 
■ 過去フィリップ・ウー&ニューヨーク・オール・スターズ関連記事(一部)
2011年11月27日(日)
フィリップ・ウー&ニューヨーク・オールスターズ・ライヴ(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11089996666.html
July 13, 2006
Philip Woo Band: So Tight, So Funky
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200607/2006_07_13.html
July 21, 2006
Philip Woo & New York Allstars: Don’t Leave Me This Way (Japanese Version)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_21.html
July 20, 2006
Philip Woo & New York Allstars: Don’t Leave Me This Way (English)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_20.html
August 03, 2006
Tonight Is Ty Night: Philip Woo & New York All Stars Final
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200608/2006_08_03.html
March 15, 2007
“Summer Time” Is Coming: Donny’s Soul Is Coming: Ty Stephens Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/001639.html
March 03, 2007
Ty Stephens Will Sing Day And Night In Tokyo, Next Week
http://blog.soulsearchin.com/archives/001616.html
■ メンバー Members
Philip Woo (Keyboards, Hammond, Harmonica)
Ralph Rolle (Drums, Vocal)
Cliff Archer (Bass)
Masa Kohama (Guitar)
Ty Stephens (Vocal)
Felicia Fenix Graham (Vocal)
■ セットリスト
Philip Woo & New York All Stars, January 18, 2012 @ Blues Alley, Meguro
( ) indicates lead singer tonight, [ ] indicates original artists ( ) year of hit
( )内に今日のリード・シンガー、[ ]にオリジナル・アーティスト名、( )がヒット年あるいは発表年、シングルヒットでない場合は、オリジナル収録アルバム
++First set
show started 19:45
01. Flyin’ Easy (Ty) [Donny Hathaway](1973) From CD “Extension Of A Man”
02. Let’s Do It (Let’s Love)(Ralph) [Ohio Players](1976) From CD “Honey”
03. All The Love (Ty) [Ty Stephens](2008)
04. Someday We’ll All Be Free (Ty) [Donny Hathaway](1973) From CD “Extension Of A Man”
05. With You I’m Born Again (Ty & Fenix) [Syreeta & Billy Preston] (1980)
06. Shaky Ground (Ralph) [Temptations](1975)
07. Free Man (Ralph & Fenix) [South Shore Commission](1975)
Performance ended 20:38
Second set
Performance started 21:13
01. All Day Music (Ralph) [War] (1971)
02. Dr. Feelgood (Fenix) [Aretha Franklin](1967)
03. Fade Away (Fenix) [Felicia Fenix Graham](2011)~A riff of “I’m Gonna Love You Just A Little More Baby”[Barry White](1973)
04. Hair (Ty) [Graham Central Station](1974)
05. Your Precious Love (Ty & Fenix) [Marvin Gaye & Tammi Terrell](1967)
06. Risin’ To The Top (Ty) [Kenny Burke, Mary J Blige] (1982) ~ A riff of “Ain’t No Stoppin’ Us Now”[McFadden & Whitehead](1979)
07. I Know You, I Live You (Fenix) [Chaka Khan] (1981) From CD “Whatcha Gonna Do For Me”
Enc. Shining Star (All) [Earth Wind & Fire] (1975)
Show ended 22:32
(2012年1月18日水曜、目黒・ブルースアレイ、フィリップ・ウー&ニューヨーク・オール・スターズ)
ENT>LIVE>Woo, Philip & New York All Stars
2012-

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One Response to ◎ フィリップ・ウー&ニューヨーク・オール・スターズ・ライヴ~BPM低くても踊れる黒いグルーヴ

  1. as-one.roco says:

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    行きたかったです~残念…前回ブルースアレイで観戦して、オタクな選曲で、すごくよかったので昨日も行きたかったけど、明日代々木第一体育館に行くので涙を飲んであきらめました。
    また、NY ALLSTARSの皆様に来日していただきますよう リクエストしてください。お願いします!