▽八竹亭おやじさん、とんかつやに転身~不死鳥の如く頑固に復活(パート2)

▽八竹亭おやじさん、とんかつやに転身~不死鳥の如く頑固に復活(パート2)
【Another Story of Stubborn Kind Of Fellow: The Master Of Hatchiku-tei Became The Master Of Tong-katsu Restaurant (Part 2)】
(30年続いた八竹亭の突然の閉店から半年余り。八竹亭のおやじさんは、とんかつやで復活。昨日からの続き)
不死鳥。
おやじさんに、「このお店のこと、常連さんたちに知らせたの?」と聞くと、「誰にも言ってない。携帯とか、嫌いなんだよ」と相変わらずだ。すると、「なんか、キムタクとか竹之内(豊)とかが、テレビで『八竹亭』どこ行ったみたいなことをしゃべってたらしいけど」とも。そういう人たちも常連だった。(ちなみに、僕は竹之内豊はみかけたことがある。しかし、「竹之内豊・八竹亭なう」などとツイートはしなかった。そんなことツイートされたら、芸能人の方はたまらないですね(笑) 芸能人を見て、携帯をいじりだす人がいたら、要注意ね(笑))
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豚が珈琲をすするイラスト、この看板の先がとんかつや
2010年10月にオープンして、まだ半年。なかなかお客さんは来ないという。それもそのはず、表の看板にとんかつの「と」の字も出していない。外から見たら、どう見てもただのカフェだ。まず通りすがりの一見さんは絶対に入らない。おやじさんファンもまだそれほど、知らない。自分から電話することもない。食べログか、これからこうして口コミで広まっていくのだろう。
おやじさんから、「どうやってここのこと知ったの?」と聞かれたので、「タキオノから聞いた」と答えると、「ああ、オノちゃんか」と顔を崩した。そんなこんな与太話をしているうちに、ひれかつがあがってきた。
メニューにも出ているが、なんでもここで使用する豚は、北海道・十勝の「源ファーム」の「ホエー豚」だという。最近はいろいろなブランド豚があるようだ。
ひれなので、少しこぶりで、小さめにカットされている。そして、キャベツは別の器に盛られている。ごはんも小さめのお茶碗に。ごはん、キャベツともにお代わり自由。なかなかいい感じだ。とんきのハード系、まい泉のソフト系と分類すれば、若干ハード系寄り。でも、さくっとした食感がなかなかよく、また肉質もジューシーでおいしい。
とんかつやを始める前に、おやじさんは社長と都内のとんかつやを何軒も回ったという。「どことどこに行ったの?」と尋ねると、「名前はわかんないよ。社長に連れてかれた」。それで、どこだったかで、社長に「こういうとんかつ揚げられるか」と聞かれ、「これくらいなら、できるんじゃない?」と軽く言ったら、そこの店の主人に嫌な顔をされたそうだ。おやじさんらしい。(笑)
「なんかでここのとんかつが1位になったとか、きいたよ。俺、関係ないけど」と、ネットなどにはまったく縁がないおやじさん。どうやら、「食べログ1位」というのが情報として伝わっているらしい。
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左・ひれかつ定食、右・元・八竹亭のおやじさん、現マメヒコ・とんかつ部チーフ・シェフ
とんかつを終えて、勘定をするのだが、それが表の珈琲店のレジ。そこで、せっかくなので、珈琲も飲むことにした。ここでは昔ながらのサイフォンで珈琲をいれている。深煎り珈琲がおいしそうだったので、これを頼んだ。これがサイフォンながらなかなかまろやかだった。豆がいいのかもしれない。この女性マスターも、珈琲を淹れるプロだとのこと。(ちなみに、僕はサイフォンより、ドリップ式派)
しかし、この珈琲屋を抜けて、裏のとんかつやに行くというのが受ける。珈琲屋の常連さえも、最初のうちは、奥にとんかつやがあるのはわからないという。トイレに行くと、とんかつやの入口がわかるのだが。
実は、このおやじさんには、もうひとつ、先に書いた交通事故のときの臨死体験というとっておきの話がある。いつだったか、何ヶ月か突然店を閉めた後に行ったときに、なんかの拍子で交通事故の話になり、三途の川を見た、といいだして、その話が始まった。たぶん、そのときもタキオノと行っていて、営業終了間際の最後の客になっていた。
おやじさんが事故にあい、大怪我をして病院に担ぎ込まれた。たまたまその日の当直で脳外科の担当医師がおやじさんを知っていたというラッキーなどもあったそうだが、救急で運ばれて、すぐに手術。どうやらそのときに三途の川を見たという。事故の前後のことは、ほとんど何も覚えてないそうだ。しかし、その不思議な体験だけは鮮明に覚えている。
「向こうから誰かがこっちにおいでおいでってやってるんだよ、それで、ものすごく行きたくなるんだけど、『こっちに来るな』って言われたようで、なんか、ふと行くのやめたんだ。でも、ものすごく気持ちよくてね」 まさに、臨死体験ではないか。しかし、川を渡らなかったから、八竹亭は復活し、そして、閉店して、また、この新しいマメヒコでの復活も実現した。まさにこのおやじさんは、何度も奇跡の復活を遂げる不死鳥だ。
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左・サイフォンで淹れる珈琲、右・おしゃれな珈琲カップ
ファン。
帰ってきて、八竹亭、マメヒコのことなどを調べてみたら、けっこう、おやじさんがマメヒコで復活していることが出ていた。知っている人は知っているのだ。マメヒコのオウナーとおやじさんとの出会いについて書いてあるものもあった。まさにネット時代だ。
八竹亭では愛想はなかったが、それでもおやじさんのファンはかなりいたはず。そしてそのファンたちの多くは、おやじさんがここでひっそりととんかつを揚げていることを知らない。
タキオノも、「例えば月1回でいいから、『八竹亭ナイト』とかにして、昔のメニューを出す日を作れば必ず行くんだけどなあ」などと言っている。いいアイデアだ。八竹だから、毎月8日、あるいは、8日と9日とか。はち・く=八九、なんてどうだ。毎月8日9日だけ、八竹亭のメニューをいくつか選んで出すっていうのは、かなりいいと思うなあ。最初はランチもなかったが、最近ランチを始めた。またカツサンドは持ち帰りができる。
おやじさんに、「とんかつ以外はやらないの?」と聞くと、「給料安いから、これ以上やりたくな~い」と一笑に付された。おやじさんらしい。そして、一息ついて時計を見て「ああ、まだ二時間もあんのか(ちょうど9時くらいだった)。もう疲れた、帰りたい」とも。しかし、週7日、休みなく店に立っているらしい。
こうしてヘラヘラしていても、実は意外と味だけにはうるさい。八竹亭時代、一時期ものすごく八竹が混んでいた時期があり、いつもおやじさんは「人が足りない足りない、一人じゃこんなに作りきれない」と愚痴をこぼしていた。八竹は18席くらいあったはず。満員になり、同時に作るとなると、そうとう大変だ。「じゃあ、コックさん雇えばいいじゃない」と言うと、「だめだよ、そうしたら味が変わっちゃうじゃない」ときっぱり一刀両断された。どんなに人手が足りなくても、そこで出す料理は自分で作る、鍋には誰にも手をつけさせない、そんな職人の意地を垣間見た瞬間であった。
きっと、このマメヒコでも、どんなに忙しくなっても、とんかつは絶対に自分で揚げるんだろうな、と思った。頑固一徹、偏屈一徹、しかし、このとんかつやは、おやじさんありきで出来た店である。
今年70歳、不死鳥の如く蘇った元八竹亭の主人。とんかつ→美味しい珈琲というコースがお勧めです。
カフエ・マメヒコ・パート3
東京都渋谷区宇田川町38-1  エランビタールフクシマビル3F
電話03-3780-0045
営業時間 喫茶11:00~23:00、とんかつ12:00~23:00
休み なし
クレジットカード可
とんかつは禁煙
行き方 JR「渋谷」駅より徒歩10分。渋谷西武A館、B館の間(井の頭通り)をまっすぐ進み、東急ハンズ前の「神南小学校下」交差点前フレッシュネスバーガーの細道を左に入り、最初の角を右折。ビルの3階。イタリアン・ボスキュートという店と同じビル。
【とんかつ】
ロースかつ定食1800円/ロースかつ単品 1250円
ヒレかつ定食 1800円/ヒレかつ単品 1250円
ごはん 300円、みそ汁 250円
台湾烏龍茶 300円、ビール 600円
持ち帰り用 ロースかつサンド …800円など
【喫茶】
深煎り珈琲 700円、浅煎り珈琲 700円
季節の珈琲 730円、カフェオレ 750円
ダージリン、アッサム、ウバ、アールグレー各700円
ロイヤルミルクティ 800円など
ジャムトースト 500円
小豆トースト 500円
カツサンド 850円
ESSAY>Hacchiku-tei, Mamehiko

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One Response to ▽八竹亭おやじさん、とんかつやに転身~不死鳥の如く頑固に復活(パート2)

  1. 藤原 says:

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    マメヒコパート3、閉店したようでおじさんも退職されたと今日お店の方から聞きました。
    家もお店から借りてもらったようでしたし、体調も崩されたとかで大丈夫かなととても心配しています。
    どなたか事情やその後を知ってる方がいると良いのですが・・。