○『ソウル・パワー』DVD発売イヴェント~余談

○『ソウル・パワー』DVD発売イヴェント~余談
【Soul Power DVD Release Event】
表記革命。
2011年3月2日(水)、渋谷のアップリンクで映画『ソウル・パワー』のDVD発売記念イヴェントが行われ、司会・進行をした。イヴェント自体は午後7時半からだったが、その前に出演者4人が集まり、軽く打ち合わせ。僕が少し遅れてしまい、到着すると3人(ピーター・バラカンさん、中田亮さん、藤川パパQさん)がすでにいろいろと話している。
そのときの話題が「ジェームス・ブラウン」か「ジェームズ・ブラウン」かの日本語表記の問題で白熱中。「絶対、『ズ』ですよ。それから、日本語で書く音引き(『ー』)は英語にはありません(きっぱり)。だから、ジェイムズが一番正しい」とピーターさん。ピーターさんは、英文を日本語表記するとき、できる限り原音に近いもので表記することで有名だ。
ピーターさん。「オリンピックでジャマイカ出身の、あ、ジャメイカか(笑)、100メートルの記録を次々塗り替えた選手ボルトっていたでしょう。彼のファースト・ネーム、USAIN とスペルするんだけど、日本ではウサインって書いたり、言ったりするでしょう。あれ、発音はユーセインなんですよ。僕もTBSの人にそれを指摘したら、共同通信がそれで配信したんで、っていうのね」
中田さん。「日本(のメディア)は、なんでも横並びしようとして、ちょっとでも他と違うことを許さんとするからなあ。どうかと思いますよ」
吉岡。「確かに、横並びはあるなあ。でも、初期の表記と変わる場合もあるんですよ。メアリーJブリッジだったんですよ、最初。それが、2枚目かな、以降メアリーJブライジになった。別に正しいということがわかれば、変えてもいいんですよ。チャイ・ライツも、すごく昔は『チ・ライツ』ですよ。(笑)」
ピーターさん。「あれは、シャイじゃないの?」
吉岡「シャイと言う人もチャイという人もいますよね。シカゴをチカゴというアメリカ人がいるんですよ」
中田さん。「チャカ・カーンかシャカ・カーンみたいに、どっちでもいいみたいだしね」
$吉岡正晴のソウル・サーチン-soulpower4人
左からピーター・バラカンさん、藤川パパQさん、中田さん、吉岡
吉岡「慣用になっちゃうと、変えるのがほんとに難しいですよね。マイケル・ジャクソン、ここまでこれで通っちゃうと、さすがにマイコーとか書けない。(笑) でも、アリーサとか直して欲しいですよね」
ピーターさん。「アリーサって書いてる?」
吉岡「いや、ケースバイケースで適当になってます。アレサだったり、アリーサだったり(苦笑)」
ピーターさん。「吉岡さん、(アリーサで)やってくださいよ」
ピーターさん。「(今の世の中)世界でこれまで『絶対』だと思われていたものでも、たとえば、中東であれだけ、一気に革命が起きて変わるわけだから、『アレサ』くらい、ちょろいもんですよ。(笑) 音楽関係の原稿を書く人がみんなツイッターとかブログで、『アリーサ』って正しい表記するようになれば、レコード会社だって変わるよ」
吉岡「そうですね、まさに『表記革命』ですね! そうだそうだ。おもしろいなあ。やろうよ」
ピーターさん。「やろうよ、やろうよ」
そして、ザイールの独裁者、モブツ大統領は、モブツと書かれるが、正しくは、「モブトゥー」というらしい。「ブ」にアクセント。
$吉岡正晴のソウル・サーチン-プログラム
映画『ソウル・パワー』のパンフレット
■映画はヒットすると思われていたか 
思惑。
ところで、この『ソウル・パワー』は、画質もいいし、音もいい。1974年の時点で、この映画製作者は、これがヒットすると思ったのだろうか、という話題になった。
ピーターさん。「1969年の『ウッドストック』も、(レコードを出したワーナーに)レコードの権利を7万5000ドルで渡すという交渉をするが、映画もついでにつけて10万ドルで手を打つ。つまり、映画はあくまでおまけで、誰も当時は映画がヒットするなどとは思ってないはず」
ちょうど黒人インディ映画のはしりとなった『スイートバック』のDVDを持ってきた中田さん。「この『スイートバック』は、ちょうど1971年に出て、1500万ドルの興行収入を上げた。それを見て、『シャフト』ができたりするので、1974年のこの『ソウル・パワー』は、ある程度勝算があったのではないか」
この種の映画では、『ウッドストック』、『セイヴ・ザ・チルドレン』、『ワッツタックス』、『スイートバック』(ちょっと種類は違うがインディ・ブラック映画という範疇で)などがあった。
吉岡。「たぶん、ドン・キングあたりが、興行とライヴ、その映画含めて、ひとまとめのプロジェクトとして、投資家からどーんと予算を取ったんじゃないかなあ。で、それぞれにばらまいた。だから、試合と興行さえできれば、映画なんか、ヒットしようがしまいが関係ない、最初に前金とってしまえば、それでいい、くらいのつもりだったんではないかな。それもあって、30年以上も何も表に出てこなかった」
中田さん。「ライヴ、コンサート自体は経済的には大失敗だったんですよ。数週間、試合が延期されたおかげで、でも、ライヴだけ先にやらざるをえなかったから。最初からけっこう試合を見に来る観光客も目当てにしてたのが、来なくなって、結局、地元の人しか来なかった。でも、地元の人は年収数百ドルとかで、チケット買えない」
ピーターさん。「最後は、みんなタダでいれたんでしょう」
吉岡。「このライヴ自体も、試合の延期と同調して後ろにずらせなかったのかなあ」
ピーターさん。「照明は『ウッドストック』もやっていた人、ほかにも多数のスタッフがその1週間だけスケジュールを押さえられていて、次の仕事がもうみんな決まっていた。だから、コンサートの延期は、事実上不可能だったんですよ」
吉岡。「そもそも、なんで、ザイールでやったの」
中田さん。「それは、ドン・キングがモブツ大統領と話をつけたから」
藤川さん。「国威発揚な感じなんでしょうね。これをやることで、オリンピックみたいに汚いところを壊して直して」
しかし、紆余曲折あって、30年陽の目を見なかった映画が、こうして映画化され、DVDにもなり、貴重な映像を手軽に見ることができるようになった。といった話もイヴェント内で話せればよかったが、まあ、時間切れという感じで、すいません。
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映画『ソウル・パワー』については、こちら。
2010年03月14日(日)
映画『ソウル・パワー』6月に日本公開決定 (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10481294944.html#main
2010年03月15日(月)
映画『ソウル・パワー』6月に日本公開決定 (パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10482117209.html
■DVD 『ソウル・パワー』

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■ ブラック・インディ・ムーヴィーとしての原点 『スウィート・スウォートバック』

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■ 音楽フェスの原点『ウッドストック』

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