★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第16回~第17回

★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第16回~第17回
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
『プラネットC(癌惑星)を歩いて』 ナイル・ロジャーズ著
闘病記。
ナイル・ロジャーズの癌闘病記、1月31日から2月1日までの2日分、写真・キャプション付き。存分にお楽しみください。
(写真に関しては、ソウル・サーチンのメインサイト http://ameblo.jp/soulsearchin/ をごらんください)
#16 I Didn’t See It Coming  予期できないこと~あの頃のセントラル・パーク
Written on Monday, 31 January 2011 05:00 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 31 January 2011 19:00)
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/241-walking-on-planet-c-i-didnt-see-it-coming
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雪に覆われる思い出のセントラル・パーク
今日の天気は華氏40度(摂氏4.4度)近くに上がるはずだった。雪に覆われた街は一瞬にして元の姿を現す。僕も同様に元の姿に戻れるような気分になってきた。癌手術以来、今日は最高の気分だった。そこで、いつもの朝5時にブログをアップするともう一度眠りについた。
その後、この「プラネットC(癌惑星)」(癌とともに生きる人生の意味)という言葉の生みの親である医師からの電話で目を覚ました。彼も癌からのサヴァイヴァー(生き残り)であり、古くからの友人だ。子供の頃から僕たちはヒッピーだったが、あの頃はみんながヒッピーだった。当時一番よく遊んでいたのはセントラル・パークだった。パークは今僕が住んでいる所からそれほど遠くないので、かつての僕の「基地」(ホームベース)をふらりと訪れてみた。
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左 1969年7月 月面着陸 右・セントラル・パークでダイアナ・ロスは1983年にフリー・コンサートを開いた
音楽はいつも僕の頭の中で鳴っていて、僕が見たり、感じたりしたことに強く影響されている。ちょうどスライ&ザ・ファミリー・ストーンが脳内でプレイされていた。そして、僕はかつてセントラル・パークで見てきたたくさんのアーティストに思いを馳せていた。
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左・ヒッピーの星、スライ&ファミリー・ストーン 右・ギター・ヒーローのひとりジェフ・ベック
1969年の人類月面着陸もそこで見た。初めての「アース・デイ」(1970年4月22日)にも出た。ニーナ・シモン、ジェフ・ベック、ダイアナ・ロス、フリートウッド・マック、サイモン&ガーファンクル、マハヴィシュヌ・オーケストラ、ジョン・セバスチャン、ロバータ・フラック、スライ、ジョニー・マティスも見た。セントラル・パークが奏でる多様性あふれる音楽の宇宙に生息する多くのアーティストたちをそこで見たのだ。
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左・マハヴィシュヌ・オーケストラ 右・誰もがヒッピー。我々は自由だ、解放されている
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フリートウッドマック
僕はまた、パークである曲のコーラス(サビ部分)も書いた。それは後に僕のバンドとなるシックの「アット・ラスト・アイ・アム・フリー」となる曲だ。この曲は、古くからの友人であるそのヒッピー/医師が、セントラル・パークの門限を破ったことで警官に殴られた日に書いた。彼はLSDでトリップしていたために、警官の命令が理解できなかった。警官たちは彼をボコボコにやっつけたが、彼はなぜ殴られたかその理由さえわからなかった。僕もトリップしていたが、なんとか彼の様子を見に警察に行こうとした。しかし、僕もふらふらで、建物に一歩近づこうとしても、建物もまた僕から一歩離れて行く有様だった。幻覚でどこにも進めなかったのだ。やっとの思いでセントラル・パークを抜け出したとき、自分自身にこう言ったのだ。「ついに、僕は自由になった、解放された(At last, I am free)」。
あの頃、僕たちは将来どうなるかなどまったく予期できなかった。しかし、彼は医師になり、僕はプロのミュージシャンになった。
癌とは、あらゆるレヴェルで人生を変化させるものだ。彼が警官から暴行を受けたとき、それは彼も僕もまったく予期できなかった。そして彼が癌に侵されたときもまったく予期できなかった。だが、僕はこれからは、何が起こるのか、厳重に見張ることにする。
ナイルのビデオ↓
http://vimeo.com/11786030
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#17 Big Time! 大きな成功!
Written on Tuesday, 1 February 2011 05:00 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 1 February 2011 19:00)
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/242-walking-on-planet-c-big-time
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NBCテレビの『トゥデイ・ショー』
昨夜寝ている間、僕は狂ったような癌の悪夢を見ていた。それは甲高い叫び声で突然途切れた。ジャスティン・ビーバーがNBCテレビの『トゥデイ・ショー』に出ていて、その叫び声は、彼のファンが叫んでいたものだった。彼は若い頃どのようにして音楽の道に入ったか語っていた。ドラムスから始めたという。僕は、彼の音楽は今の時代のメジャーなポップスだと思っていた。ドラムスやドラマーは、現代のメジャーなポップスでとても重要な位置を占める。家を出るときには、僕の脳は(ドラムのリズムで)かなり揺れ動いていた。
容赦ない華氏17度(摂氏マイナス7.7度)の冷徹な空気の中、僕はウォーキングにでかけた。風による体感温度の寒さはメジャーなポップスのドラム音で包み込まれた。ザ・サファリスの「ワイプアウト」、「ホール・ロッタ・ラヴ」のジョン・ボーナム(レッド・ゼッペリン)のドラム・ソロ、オハイオ・プレイヤーズの「ラヴ・ローラーコースター」、パワー・ステーションの「サム・ライク・イット・ホット」のトニー・トンプソンによるオープニング部分。その他多くの作品を足早に進みながら聴いた。たくさんの個性的なドラム・リフを口ずさんだあと、僕は友人でもあるナラダ・マイケル・ウォルデンのことを思い浮かべた。ポップ・ミュージックに対して鋭いセンスを持つ多芸な素晴らしいドラマーの一人だ。
ヒーローのドラマーたち
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左・トニー・トンプソン 中・ジョン・ボーナム(レッド・ゼッペリン) 右・サファリス
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左・パワー・ステーション(ドラムスはトニー・トンプソン) 右・ナラダ・マイケル・ウォルデン
僕がマドンナの『ライク・ア・ヴァージン』のアルバムをプロデュースしたとき、彼女がプロデュースを依頼しようとした僕以外の唯一のプロデューサーがナラダだった。『ライク・ア・ヴァージン』は僕の最大のメジャーなポップ・アルバムだが、マドンナも、ナラダも、そして僕もみないわゆるアンダーグラウンドの音楽シーンから出てきた。僕たちは成功するまでに、何年もがんばってきた。かなり大変だったが、売れないアーティストというものは、アンダーグラウンドの世界で何とか生き延びる術を身につけるものだ。今日のアーティストたちは、成功するのがかつてより簡単なのか、それとも難しくなっているのか、どうなのだろう?
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僕の最大のメジャーなポップ・ヒット=マドンナ
もし成功すれば、相当大きな成功を得られるように見える。だが、自分がやりたい音楽をやってなんとか生き延びる方法はあるのだろうか。不思議なことだが、そんなことを考えていたら、癌にどう向き合うか、僕は新しい見方を思いついた。つまり、それがどれほど難しいかに関係なく、癌となんとかだましだましやってぎりぎり生きていくわけにはいかない、僕は癌を完璧に克服し、大きな成功を果たしたいのだ、という決意だ!
ナイルのビデオ↓
http://vimeo.com/11786030
Walking On Planet C>16, I Didn’t See It Coming, 17  Big Time!

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