★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第12回~第13回

★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第12回~第13回
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
『プラネットC(癌惑星)を歩いて』 ナイル・ロジャーズ著
闘病記。
ナイル・ロジャーズの癌闘病記、1月27日から28日までの2日分、写真・キャプション付き。彼は毎朝5時にきっちりアップしてくる。日本では夜の7時だ。それにしても、いつもながらに素敵な文章だ。さすがにこのナイルのブログに関しては、いろいろな反応をいただいている。みなさん、徐々にナイルの文章のファンになられていくようだ。
彼が歩くニューヨークがエピソードとともに語られるので、ナイルのニューヨーク案内のようになっているところもおもしろい。そして、彼が地元を歩くことで、自身の人生を振り返っているところも読み応えがある。
なにより、曲がでてくるので、このエッセイからは、メロディーが沸き立ってくるところがいい。そこで、今日から当該楽曲のYoutubeも貼ってみた。
また、多くの読者からのコメントのなかにも素晴らしいものがあり、それらもランダムに訳せたらおもしろいと思っている。
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
第12回 Sharks are Immune to Cancer Says Gervais  免疫システム
Written on Tuesday, 27 January 2011 05:00 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 27 January 2011 19:00)
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/237-walking-on-planet-c-sharks-are-immune-to-cancer-says-gervais
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起床
「サメには癌の免疫システムがある」 その言葉が今朝の目覚まし時計のように僕を起こした。テレビから流れてきたリッキー・ジャヴェイスのそのHBO用(ケーブル・テレビ放送局)CMは、2時間前に僕を眠りにいざなってくれていた。癌に襲われてからというもの、僕はいわゆる「C言葉」(Cから始まる単語)をあちこちで耳にするようになった。コメディー・ショーを見ていても耳に入ってくる。癌と診断された日、テレビをつけると『ザ・ビッグC(The Big C)』(注1)という番組をやっていた。末期癌患者を主人公にした番組だった。
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ローラ・リンネイ『ビッグ・C』の主演
リッキーのCMは、実に楽しい。日課のウォーキングをはじめるにはうってつけのモーニング・コールだ。今朝の天気は、『ザ・ビッグC』を見たせいか僕の気持ち同様、ずいぶんとうつろい気味だ。雪交じりの雨が降っていたが、僕が家を出るときまでには、止んでいた。そしてウォーキングの間、ジャヴェイスの「サメには癌の免疫システムがある」というフレーズが僕の心にまとわりついていた。
僕の癌に対する一番最初のイメージは、サメに体の内側から食べられている、というものだった。そこで僕は海の雰囲気で「スパニッシュ・レディーズ」(イギリスの有名な海の歌)を歌い始めた。
Spanish Ladies

素晴らしいソウル・フード・レストラン「シャーク・バー」があった場所にたどり着いた。だが、もうその店はなかったので、「シャーク・バー」にトリビュートする意味で、ボビー・ダーリンの「マック・ザ・ナイフ」(注2)を歌い始めた。「Oh the shark babe, has such teeth dear(同曲の歌詞:サメは、すごい歯をしている…)」 「シャーク・バー」の中を見て、少しばかり愕然とした。以前よく通った店の前に、ガラクタが無造作に山積みになっていたのだ。この界隈も変わった。時代も変わった。僕も変わった。できれば良い方向に変わりたい。
Mack The Knife
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右・「マック・ザ・ナイフ」を歌うボビー・ダーリン
向きを変え、ブラス・コンストラクションの「チェンジン」(注3)を口ずさみながらダウンタウンに向かった。「Times are changin’. Changing ti-yi-yi-yi-yi-i-i-imes.(同曲の歌詞:時代は変わる~~~)」 ファンクのインストゥルメンタル曲のサビの部分だ。「変わる、変化Change」は、まさに今の僕の空気だ。変化は良いほうにも、悪いほうにもなる。だが、変化を避けることはできない。僕はよくひやかしに足を運んだ場所に行くことにした。その場所に着くと、そこも閉鎖されていた。中を見ると唯一その店に残されていた看板が全てを物語っていた。「5万点以上の音楽在庫あり」 僕はある種のものにも、サメがもつ免疫システムのようなものがあればいいと思う。
Changin’
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「5万点以上の在庫あり」は、もうない
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ビッグC手術後、初のウォーキング
注1 ショータイム・ネットワークスが製作しているテレビ・ショー。ケーブル・テレビ用に番組を製作しており、この『ビッグC』もそのひとつ。主人公は高校教師で末期癌を宣告され、自暴自棄になったりさまざまなエピソードを紹介する。昨年パイロット版が作られ、今年からレギュラー化。
注2 「マック・ザ・ナイフ」は、ボビー・ダーリンの1959年の大ヒット、全米ナンバーワン。元々1928年に『スリーペニー・オペラのテーマ』として書かれ、「モリタット」のタイトルでも知られる。1959年度グラミー賞「レコード・オブ・ジ・イヤー」受賞。
注3 ニューヨーク・ブルックリン出身のファンク・グループ、ブラス・コンストラクションの1976年のヒット。
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第12回 Today is a Record! 記録づくめ
Written on Tuesday, 28 January 2011 05:00 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 28 January 2011 19:00)
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/238-walking-on-planet-c-today-is-a-record
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ニューヨークがスイスに変身(ダコタ・アパート)
今季7回目の冬の嵐は、セントラル・パークに一晩で19インチ(48センチ)もの雪を降らせた。月間降雪量はこの1月が新記録となり、この日僕は手術以来最高の気分で朝を迎えた。朝のウォーキングに出る直前、友人で人を鼓舞する話し手であり、作家、トーク・ショーの司会者モンテル・ウィリアムスから電話があった。その電話で、僕はとても高揚させられ、さらに気分がよくなった。ストリートに出る際、僕の脳裏では、エアロスミスの「ラヴ・イン・アン・エレヴェーター」(1989年のヒット)が流れていた。
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左・僕とエアロスミスのスティーヴン・タイラー 右・今日は記録づくめの日
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左・記録的大雪に覆われるセントラル・パーク 右・セントラル・パークのスキーヤー
Love In An Elevator

雪に覆われると誰でも愛が恋しくなるかのようだ。ニューヨークは「ビッグ・アップル」(ニューヨークの愛称)というよりもスイスという雰囲気になっている。もっとも、僕はヨーデルは歌わないが…。その代わり、ジョージ・クリントンの「アトミック・ドッグ」を歌い始めた。というのも、ピットブール・テリアが僕のところに寄って様子を伺いにきたからだ。「Bow-wow-wow yippie-yo yippie-yay,」(歌詞:犬の鳴き声を音にしたもので、特に意味はない)と僕は歌った。彼女はまるでその歌を理解しようと僕を見つめた。かつて、ジョージ・クリントンとは何回か仕事をしたことがある。
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メスのピットブールが僕に寄ってきた
Atomic Dog

これまでにも人生の中で不思議な光景を何度も見てきたが、セントラル・パーク・ウェストでこれほど多くのスキーヤーを見たことはなかった。今朝は、そう、記録的な大雪なのだ。
ダコタ・アパートの管理人室で暖を取る男の横を通り過ぎた。20年前、僕は彼の真後ろにあるダコタ・アパートの1階をほとんど買う寸前までいっていた。
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暖を取るダコタ・アパートの管理人
僕は日々の生活の中での人々とのつながりに感謝している。ソーシャル・ネットワーキングは、シックのライヴでの人々との関係も変化させた。ライヴを始める前、僕はオーディエンスに歩み寄る。シックという名前だけは知っている人々が、世界中に記録的な数ほどいるからだ。さらにそれ以上の人々が、僕が癌の経験を書き始めてから、僕の人生に彩を添えてくれるようになった。そのことにも感謝している。僕が恐怖で気が変になるとき、みなさんのコメントを読むと、気持ちが収まる。癌と向き合うのはひじょうに難しく、自分が小さな存在だと思わせられる。手術以来、僕は大勢の中で孤独を感じるようになった。
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僕とローマの友人たち
電話が鳴り、ドアマンがモンテル・ウィリアムスからの花束を届けると言ってきた。今日は記録づくめの日だ。
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左・モンテル・ウィリアムスと僕 右・スタジオでの僕
Walking On A Planet C>Sharks, Today’s Record

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One Response to ★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第12回~第13回

  1. souljazzsoul says:

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    ナイルロジャースの鼻歌を聴きながら一緒に散歩している気分で読ませていただきました♪( ´▽`)
    ありがとうございました♬