◎ロバータ・フラック~進化し続ける女神

◎ ロバータ・フラック~進化し続ける女神
【Roberta Flack Live : Goddess Still Growing】
女神。
ロバータ・フラックというシンガーのミュージシャン、アーティストとしての底力を見せ付ける、そんなライヴだ。2007年、2008年、2009年に続いてのライヴ。ロバータはステージ中央のピアノに座りながら歌う。自由自在に、その瞬間彼女が歌いたいと思った曲を弾き、歌う。基本的には事前のセットリストはない。たいがい、ロバータがピアノのイントロを弾き始めて、ミュージシャンたちはそれで曲を知り、追う。満員の観客で、ファーストが押したせいで、スタートは9時45分すぎ。
ドラムス、ギター、ベース、キーボード、フルート&トランペット、コーラス3人の8人バンドにロバータ。ステージは完璧にロバータがコントロールしている。イントロからステージに上がりピアノの前に座った彼女は、いきなり、strummin’ my pain with his fingersと歌いだした。邦題は「やさしく歌って」。冒頭から心、わしづかみ。さらに、カトリース&ジェリー・バーンズの「セイ・ノー」、そして、おなじみの「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」。ノンストップで、次々と歌われ客は息をつく暇もない。「フィール・ライク…」の中にはマーヴィン・ゲイの「ユー・シュア・ラヴ・トゥ・ボール」のフレーズをちりばめ、あたかもマーヴィン・ゲイ・メドレーへの予告塔かのよう。
MCで「フリオ・イグレシアスとダイアナ・ロスのために書かれた曲です。ラッキーなことに、彼らが録音しなかったので、私たちが録音できました」と言って歌い始めたのが、日本でも人気の高い「愛のセレブレーション」。フリオとダイアナ向けとは知らなかった。
そして、このところよく歌われるマーヴィン・ゲイ・メドレー。バック・コーラスの女性シンガーと男性のデリックの歌もフィーチャーされ、本当に見事。最後の「マーシー・マーシー・ミー」の盛り上がり方ははんぱではない。カットアウトで終わると、まさに感動の嵐だ。そして、観客からの拍手もやまぬうちにロバータはペースを変え、しっとりとしたピアノのイントロを弾き出す。プリテンダーズのヒットで、最近では彼女がアンコールに歌うことが多いという「アイル・スタンド・バイー・ユー」だ。これは前回聴いて、ものすごくロバータっぽい曲だと思ったが、すばらしい曲。まだ、ロバータ自身は録音していないようだ。さび部分を途中で客に歌わせようとしたが、若干、難しかったか。
ボブ・マーリーの「ノー・ウーマン…」をやりだしたが、ロバータが「ちょっとテンポが早い」といい、すぐにミュージシャンはテンポを遅くした。まさに、ロバートはボス。
ダニー・ハザウェイとのデュエットで大ヒットした「バック・トゥゲザー・アゲイン」。これは、バック・コーラスのデリックとの超強力デュエット。これにキーボードで歌も歌うシェリックが加わり壮絶な「バック・トゥゲザー・アゲイン」になった。ミディアム調のこれが終わるとまたしっとりとピアノから。前回もやっていたマイナー調の「テル・ミー・ホワイ」。その後、今日の最後の曲といって歌い始めた「ソフト・アンド・ジェントル・レイン」だったが、その後、最後といったにもかかわらず、ちらっと「ザ・ファースト・タイム・エヴァー…」も歌う。これを歌い終えるとコーラスの3人さえもが、ロバータの歌に拍手を送った。加えてアンコールを2曲も。のりにのっていたのだろう。ライヴが終わったのが、23時28分だ。
曲がどのように歌われるか。過去3年分のセットリストと見比べると、実に興味深い。曲の、出し入れが自由自在なのだ。
観客にマーカス・ミラーもいたが、ミラー作品「オアシス」は歌わなかった。ロバータは楽屋に戻るとき、座っていたマーカスを見つけ、ハグ。
それにしても、こんなに自分の思い通りにミュージシャンと、そして、観客をコントロールできたら、ミュージシャン冥利に尽きると思う。70歳を超え、いまだに新しい楽曲を次々とレパートリーに加えていくその「進化」ぶりには感銘を受ける。スティーヴィーも神様だが、ロバータも女神だ。
■ 過去関連記事
2009年07月29日(水)
ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090729.html
March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080308.html
前々回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070418.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070419.html
2007年ライヴ評。
■ ベストアルバム

ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ロバータ・フラック (ワーナー・スーパー・ベスト40)
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■メンバー
ロバータ・フラック(ヴォーカル、ピアノ)Roberta Flack(vo,p)
アルチューロ・タッピン(サックス、フルート)Arturo Tappin(sax,flute)
シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)Shelton Becton(key,musical director)
ディーン・ブラウン(ギター)Dean Brown(g)
ニコラス・ブランカー(ベース)Nicholas Brancker(b)
チェ・マーシャル(ドラムス)Che Marshall(ds)
デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)Derick Hughes(back vo)
ノヴァ・ネルソン(バック・ヴォーカル)Nova Nelson(back vo)
メリッサ・ラロシェル(バック・ヴォーカル) Mellisa Larochelle(back vo)
■ セットリスト ロバータ・フラック@ブルーノート東京、2010年9月2日木曜、
Setlist : Roberta Flack @ Bluenote Tokyo, September 2, 2010
musicians stand by 21:45
show started 21:47
01. Intro (Rise)
02. Killing Me Softly With His Song
03. Sweet Georgia Brown
04. Say No
05. Feel Like Making Love ~ You Sure Love To Ball [Marvin Gaye]
06. Tonight I Celebrate My Love
07. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues – Save The Children – Mercy Mercy Me
08. I’ll Stand By You [Pretenders]
09. Feelin’ That Glow
10. No Woman, No Cry [Bob Marley]
11. Back Together Again (With Derrick, Shelton)
12. Tell Me When
13. (Like A) Soft & Gentle Rain
14. The First Time Ever I Saw Your Face
15. Love Me In A Special Way [Debarge]
Enc. You’ll Never Know (‘Til You Let Go)
Enc. Baby, I Love You (Shelton sings)
Outro: Theme (Rise)
Show ended 23:28
(2010年9月2日木曜、ブルーノート東京=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2010-143

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2 Responses to ◎ロバータ・フラック~進化し続ける女神

  1. ari says:

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    はじめまして 
    ロバータフラックで検索してきました。
    以前にもコメントしてことがあったかもしれません。
    わかりやすく的確にライブのことを記事にされているので すごくありがたいです。
    今晩 東京ジャズでロバータフラックを観ました。
    元気なロバータの歌声に感動して帰ってきました。
    コーラスの女性が2人いましたが ふくよかな方の女性で すばらしい声に震えるくらい感動しました。
    この方はお名前はなんという方かおわかりになりませんでしょうか。
    以前にも見たことある気がするのですが・・・

  2. SECRET: 0
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    >ariさん
    初めまして。う~ん、どちらもふくよかなんで。(笑)2人の名前はブログに書いてありますが、どちらかがちょっとわからないですねえ。