○YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート3)

○YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート3)
【Yoshioka, Matsuo & Nakata: YMN Summit: Dinner With Soul Talking (Part 3)】
ソウル放談。
昨日のパート2が大変好評だったので、この「ソウル放談」、今日も文字起こししてみます。(笑) けっこう大変なんですよ。(笑) 昨日のまでは、大体メモと記憶でぱーっと書いちゃったんですが、今日のは少しテープを聴きなおして、ポイントを書こうかな、と。山下達郎さんの番組の「納涼夫婦放談」から拝借して、勝手に「YMN納涼ソウル放談」と題してみました。
別にこの日の食事会はテーマも何もなく、ただ食事でも、という趣旨だったんですが、それでも濃い話になりそうな予感はあったので、僕は、「ただの食事会」に、よりによってジョエル・ウィットバーン(マーヴァ・ホイットニー的な発音で行けば、ジョエル・ホイットバーンか。しかし、Whitney, WhitburnとかWhiはホイとか、ウイとか表記がブレますなあ。ノーマン・ホイットフィールドがよく見かける表記ですが、僕はウィットフィールドで書くことも多い。迷う、ぶれる=脱線失礼)の「ホットR&Bシングルス」の本を持ってきました。
現在はほぼ絶版で、たぶん、新しいのがもう少しでリリースされると思うので、下記は買い時ではありません。一応、持ち込んだのが、これ、という参考画像ということで↓

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たまたま中田さんがこの本の存在をご存知なかったので、軽くこのチャート本について解説するところから話が進みました。
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■ ジョエル・ウィットバーンのチャート本
チャート。
中田さん。「この人、ジョエル・ウィットバーンはR&Bチャートだけやってるんですか?」 「いや、あらゆるジャンル、やってます。ポップ、R&B、カントリー…」 「ひょっとして、この人、ジェームス・ブラウンのドキュメンタリーに出てきた人じゃないですか。めちゃくちゃ早口で~」 「あれ、それは覚えてないけど、そうなんだ。R&Bのシングルもアルバムもあります」
松尾さん。「僕もこれ、改訂版が出るたびに買ってます。ただこういう本の形態としては、これあたりが最後になるんじゃないかと思いますね。そもそもこういう本って、別に読んで楽しむっていうものでもないので、一番ウェッブにむいてますよね。クリックすればすぐにアルバム(を買い)に行けるとかね。ただどうやって課金するかっていうのは別に問題としてあるでしょうけどね」
「確かCDロムで売り出してるんじゃないかなあ」と僕。「メンバーになると使えるとか」と中田さん。松尾さん。「日本でもオリコンあたりがこういうのを作ればいいと思うんだけど、なかなか出てこないですねえ。ま、ビルボードのチャート自体が、エアプレイだけで1位になったりする時代だけにね…」
松尾さん。「いやあ、これはラジオの仕事とかしてると、必携なんですが、この本の唯一のウイークポイントは、チャートインしたときの日付は書かれてますが、1位にならない限り、何年何月何日に最高位を獲得したかわからないんですよね。たとえばね、90年代、ボーイズ・トゥ・メンが異常に強かったときに、TLCの『ベイビー・ベイビー・ベイビー』は2位を6週間(ポップ・チャートでのこと)とか続けてるんですよ。だけど、(この本からは)いつからいつまで2位だったか、わからないんですよ。いつ(どの曲と)争っていたのか、もしかしたら(その曲がなければ)1位になれたかもしれない、というのがわからない。でも、このあたりは、デジタルだったら簡単にできますよね」
■ 楽曲のロンジェヴィティー(息の長さ)
ロンジェヴィティー。
「音楽制作者だと、曲のロンジェヴィティー(長期性、息の長さ)、寿命みたいなものを考えますよね。日本だと最初の週に1位初登場して、あとは落ちるみたいなことがありますけど。じわじわと上がっていき、どれくらいロングテールで生き延びたか、なんていうのは興味ありますよね。たとえば、グレン・ジョーンズの『アイヴ・ビーン・サーチン』なんて曲は、年間通してやたら売れてたりしてたんですよ。ジョンBの『ゼイ・ドント・ノウ』とか、『アー・ユー・スティル・ダウン』とかも、やたら長く売れてたんですよ。これらは1位は取ってないのに、年間チャートでは相当上位に来てるんですよ。でもそのあたりは、うまく読み取らないといけない」
さっそく、その場でチェック。グレン・ジョーンズ、これは1992年のヒットで、チャートに30週入って最高位8位、ジョンBは「ゼイ・ドント・ノウ」が1998年のヒットで42週チャートインして最高位2位。「アー・ユー・スティル・ダウン」も1998年で48週チャートインして最高位9位、TLCは、ポップで6週間2位。松尾さん、よく覚えてるなあ。
吉岡。「そうそう、だからチャート自体は全部、いるんですよ。(笑) 当時はR&Bチャートとポップ・チャート、毎週1枚ずつコピーしてチャートだけのものを持ってました」 「だったら、この本、いらなくなっちゃうって話じゃないですか?(笑)」 「いやいや、そんなことはないです。毎週のチャートもいるし、この本もいる(笑)」 「あ、そうか…(笑)」 「チャート1年分でもたいしたことないですよ。(と1センチくらいの厚さを指で示す) でも、10年分になると、けっこう重くなります。(笑) だから、この本でいつ初登場したか目星つけて、チャート本体を調べる、って形ですね」
吉岡。「というのは、つい最近までなんですよ。最近はグーグルでチャート自体がけっこう探せるんですよ。どこからどこまで入力されてるかはわからないんですけど、けっこう意外とでてきますよ」 中田。「あ、そうだ、この前、グーグルで調べてたら、(ブラック雑誌の)エボニーの昔のがでてきて、その広告でジェームス・ブラウンのツアー広告なんかが出てました。僕、ジェームス・ブラウンの年表、趣味で作ってるんですけど、その広告から何年何月何日にどこでライヴやったとかけっこうわかりましたね」 松尾。「それ、趣味じゃないでしょう。(笑) しかし、あのグーグルってどんどん強気で何でもやってますけど、あれは何であんなに強気なんですかねえ」 吉岡。「さあ、わからないんだけど、最初にやっちゃえば、後から既得権でなんとかなるだろう、みたいな感じじゃないんですかねえ、ユーチューブと一緒じゃない?(笑)」 松尾。「有線放送が先に電信柱、使っちゃえばいい、みたいな(笑)」吉岡。「ところで、中田さん、JB年表、『マイケル・ジャクソン全記録』みたいに本にできますよ、やりましょうよ(笑)」
■ 名声のロンジェヴィティー(継続性)
前菜。
松尾。「ジェームス・ブラウンっていうのは、黒人音楽の歴史におけるピカソみたいなものだと思うんですよ。サム・クック、ジャッキー・ウィルソン、オーティス・レディングとかにしても、70歳代で新作出してないわけでしょう。若くして死んでるわけだし。だけどJBはそれくらいやってた。そういう意味で、ピカソ」 中田。「そういう意味でいえば、マイケル・ジャクソンも長い活動歴がありますよね。デビューが若かった、ということもありますからね。ま、リトル・リチャードもBBキングもすごいですけどね。今は、レイ・チャールズ亡くなっちゃったから」
松尾。「今、BBキングが仮に死んでも、あの店(BBキング・ライヴハウスのこと)は残りますよね。あれが、成功したというのはすごいですよね。イギリスのジャズシーンにサックス奏者でロニー・スコットという人がいますけど、ウェストエンドに『ロニー・スコッツ』という店やってるんですよね。お店が(東京の)ビルボードライブやブルーノートみたいなもので、そういう店があると、名声のロンジェヴィティー(永続性)がでてきますよね。ロニー・スコッツは僕は好きでイギリス行くたびに行ってるんですけど、それこそ、ライヴが終わったあと、ミュージシャンたちと話ができたりという雰囲気がいいですよね。ロイ・エアーズと初めて話をしたのも、そこでしたね。キャパは300人くらいかな。あんまりおしゃれじゃなくて、作りがダサくていいんですよ。で、ロニー・スコットが亡くなったのは十年以上前(1927年1月28日生まれ、1996年12月23日死去)ですが、このところまた名前が取りざたされてて、なぜかというと、ロニー・スコットの昔のガール・フレンドの孫がエイミー・ワインハウスなんですって(笑)」
「エイミー・ワインハウスが二枚目でブレイクしたときに、ブルーノートスケールでジャズっぽいね、っていう話になって、実はエイミーのおばあちゃんがロニー・スコットのガール・フレンドだったという話だったんですね。妙に、ジャズっぽさの裏打ちする話になってたんですよね」
まだまだ食事は前菜1品目。果たしてどこまで続くのか。
$吉岡正晴のソウル・サーチン
■ TLC 「ベイビー・ベイビー・ベイビー」収録。ボーイズ・トゥ・メンの「エンド・オブ・ザ・ロード」に阻まれ、ポップで1位になれず

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■ BBキングとエリック・クラプトン

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■ エイミー・ワインハウス ジャズの流れを汲むエイミー。「リハブ」が超大ヒット

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One Response to ○YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート3)

  1. Oops McCann says:

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    めちゃめちゃ聞いてみたいです。
     ラジオでこの放談^^
     是非、NHK-FMで、やってほしいなぁ。
     あ、KCさんとこで、やるってのは、いかがでしょうか?
     実現を期待しております。