⊿アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)

⊿アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)
(ライヴ、ネタばれあります。これからごらんになる方はご注意ください)
【Ashford & Simpson Tell Their Story On The Stage】
鏡。
1960年代から1970年代にかけて多くのヒットを書き、さらに自分たちでもヒットを放ってきたニューヨークのおしどり夫婦ソングライター・デュオ、アシュフォード&シンプソン待望の初来日公演。まずはなによりソングライターとして多数のヒットがあるので、全14曲、すべてヒット曲というファンとしては嬉しいセットリストになった。
彼ら自身の歌でなくとも、ダイアナ・ロスの「ボス」、シャカ・カーンやホイットニー・ヒューストンで知られる「アイム・エヴリ・ウーマン」、映画『天使にラヴソング』の挿入歌としても知られる「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」などなど彼らの作品は素敵な歌詞にひじょうに覚えやすいメロディーが散りばめられる。星の数ほどあるヒット曲は、ヒット曲としての鏡のような作品群だ。
彼らの出世作でレイ・チャールズによって歌われ1966年に大ヒットした「レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド」を歌い終えるとニックがバックのミュージシャンのメロディーにのせて語り始めた。
「この『レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド』が大ヒットしたら、僕たちの生活は一変した。それまでは(食べていたものが)ハンバーガーだったのが、ステーキになり、小さなアパートがラグジュアリーなマンションになった。そしてデトロイトから1本の電話がかかってきた。ミスター・ベリー・ゴーディーだ。彼はモータウンへ僕たちを誘うために、航空券を送ってくれた。それを見て驚いたものだ。なんとファースト・クラスのチケットだったんだ。デトロイトに行ってミスター・ゴーディーに会うと彼は言った。君たちはいいソングライターのようだが、我々は『レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド』のような曲はいらない。うちにいるのはクラッシーなアクト(品のいいアーティスト)だ。たとえば、ダイアナ・ロス、テンプテーションズ、マーヴィン・ゲイなどだ。彼らにあった曲を書いてくれ」
「僕たちはニューヨークに戻り、缶詰になって一生懸命曲を書いた。書いて、書いて、なんとかして遂に曲が完成した。僕たちはデトロイト行きのチケットを買って、デトロイトに行き、ミスター・ゴーディーに言った。あなたが探している曲がやっと書けました。こんな曲です」
そう言って始まったイントロが、「エイント・ナッシング・ライク・ア・リアル・シング」(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの1968年の大ヒット)だ。ヴァレリーが最初の数単語を歌うだけで観客からやんやの喝采。以来彼らの書いたヒットはモータウンから次々とヒット。ここでは3曲メドレーで披露される。「ユア・プレシャス・ラヴ」、そして、「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」、いずれもマーヴィン&タミーのヒット。
Ain’t no mountain high enough
Ain’t no valley low enough
Ain’t no river wide enough
Nothing To keep me from getting to you babe
(僕と君との間には、どんな高い山も、どんなに深い谷も、どんなに広い川もない…)(この4行だけでも覚えておくと、一緒に歌えて楽しいです)
観客はいつしか立ち上がり、腕を挙げ、振り、サビの部分を歌っている。アメリカ人なら誰でも知っている大ヒット。日本でも『天使にラヴソング』でウーピー・ゴールドバーグによって歌われた作品だ。マーヴィン&タミー、ダイアナ・ロスでもおなじみのこの曲を聴いていると、まさにこういう曲はそれぞれの人にひとつひとつ思い出が刻まれているのだなあと思う。それぞれの人生のサウンドトラックになっているのだ。こういう曲が一生に1曲でも書ければ、ソングライター冥利に尽きるだろう。このニックの話しからモータウン・メドレーのところは、本当に圧巻だ。じつに持って行き方がうまい。
ステージ上でも仲が良いところを存分に見せつけるアシュフォード&シンプソン。この日はさすがにアシュフォード&シンプソンをよく知るファンが多かったようだ。東京のソウル・ファン、関係者を多数見かけた。そのため、反応も熱く熱狂的だった。ラッツ佐藤さん、つのだ☆ひろさん、DJアトムご一行、ソウル住職白河さん(ヴァーヴ時代のニックのソロ・7インチ持参)…。
それにしても14曲、約80分、まだまだ彼らの大ヒットはあって、聴きたい曲が残っている。”So So Satisfied”, “It Seems To Hang On”, “Happy Endings”, “I’ll Be There For You”…。そして”Shoe Shoe Shine”。
ライヴ後、彼らに何で今まで日本に来なかったのですか、と尋ねると、「さあ、誰も呼んでくれなかったから」とヴァルが言った。
(この項、続く)
◎ ライヴは11月22日(日曜)まで、東京ブルーノートにて
http://www.bluenote.co.jp/jp/index.html
■ 過去関連記事
September 25, 2009
アシュフォード&シンプソン、11月に初来日決定
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090925.html
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アシュフォード&シンプソン、こんなベストも

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■メンバー
ニコラス・アシュフォード(ヴォーカル)Nickolas Ashford(vo)
ヴァレリー・シンプソン(ヴォーカル)Valerie Simpson(vo)
クレイトン・ブライアント(ヴォーカル)Clayton Bryant(vo)
ヴァレリー・ゲント(キーボード)Valerie Ghent(key)
ピーター・カナロッツィ(キーボード)Peter Cannarozzi(key)
デヴィッド・チュン(ギター)David Chun(g)
エルリエル・バーフィールド(ベース)Eluriel Barfield(b)
バーナード・デイヴィス(ドラムス)Bernard Davis(ds)
■セットリスト アシュフォード&シンプソン
Setlist : Ashford & Simpson, November 19, 2009
show started 21:34
01. Intro: Bourgie Bourgie
02. Found A Cue
03. Is It Still Good To Ya
04. Stay Free
05. Boss
06. Send It
07. I’m Every Woman
08. Street Corner
09. Let’s Go Get Stoned
10. Motown Medley (10 -12): Ain’t Nothing Like A Real Thing
11. Your Precious Love
12. Ain’t No Mountain High Enough
13. Solid
Enc. You’re All I Need To Get By
show ended 22:53
(2009年11月19日木曜、東京ブルーノート=アシュフォード&シンプソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Ashford & Simpson
2009-141

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3 Responses to ⊿アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)

  1. 龍女 says:

    SECRET: 0
    PASS:
    大好きなソングライターチームです。
    確かに不思議ですね。
    コアなファンはいたと思いますが。
    多分、日本のソウル好きの層が厚くなってようやく実現したのかもしれません。
    ヴァレリーのベスト盤を持っています。
    輸入盤です。
    今年は国内盤も手に入りやすいんですね。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    Ashford & Simpsonの歌う〝ボス"は素晴らしいですね。
    PERFORMANCE(LIVE盤)を持っていますが、ハートにビンビン響いてくるものを感じます。
    生で聴かれたのは羨ましい限りです。

  3. manami says:

    SECRET: 0
    PASS:
    サーチンしてたどり着きました(笑)。
    私も明日行きます。
    レポートを読ませていただき
    ますますワクワクしてきました(嬉)♪