◎フランキー・ビヴァリー、来日直前インタヴュー

【Frankie Beverly Talks About Up Coming Japan Tour】
抱負。
フランキー・ビヴァリー&メイズの来日(2009年9月22日~26日)が迫ってきた。ソウル・サーチンでは、来日直前の彼に電話でインタヴューを敢行。来日への抱負、意気込みを聞いた。
メイズの来日は、1989年11月、青山スパイラル・ホール、1994年9月、横浜カフェ・デ・ラ・ソウルにおけるライヴ以来ちょうど15年ぶり。メイズはもともとアメリカでの爆発的人気(リリース・アルバムがほぼすべてゴールド・ディスク=50万枚以上のセールス=)と日本での一般的人気度の落差が激しく、なかなかギャラの関係で招聘できないアーティストの一組だった。
ここ数年、メイズはニューオーリンズで毎年行われるブラック・ミュージックの大祭典『エッセンス・ミュージック・フェスティヴァル』で最終日の大トリを取ることで知られる。メイン会場は7万人、ここを満杯にし観客を熱狂させる。ふだんでも3000人から7~8000人クラスの会場でライヴを行っているので、今回のキャパシティー約200人という小さなライヴ・ハウスでのライヴはほとんど奇跡だ。
今回招聘のコットンクラブも、お店始まって以来初の1セットのみで営業する。通常、7時と9時半、2セット入れ替えだが、今回は1セットのみで、1セットを通常より長くプレイしてもらう。
さて、僕は電話の向こうのフランキーには、1989年の来日時にインタヴューしている。
来日へ向けてまずこう切りだした。「実は僕は日本の食べ物が大好きなんだ。スシ、ウナギ。サンフランシスコではよく日本レストランに行ってるんだ。だからものすごく楽しみにしているよ」
今回は、元メイズのメンバーで、現在日本在住のフィリップ・ウーがキーボードで参加する。フィリップについてこう絶賛。「彼が日本に移住するためにメイズを辞めたのは本当に痛手だった。彼のようなキーボード奏者はなかなかいない。彼はone of a kind (ユニークな、比類のない)だ。彼は確か1994年にメイズで日本に行ったときに日本が気に入って、それ以来(日本に)いついてしまった。今度一緒に彼とプレイ出来るのが待ちきれない」
メイズは30曲近いヒットを持っているが、これだけヒットがあるとヒット・メドレーのような形もあるのだろうか。「いや、実は僕はヒット曲を少しずつやるメドレーはあんまり好きじゃないんだ。(笑) 自分が観客になったとき、その好きなグループの好きな曲が短くメドレーにされると、不満だからね。(笑) やるなら、(その曲を)フルサイズでやるよ」と頼もしい答え。
ところで、最近はメイズのような大型ソウル・バンドが音楽業界ではかなり生き延びるのが難しくなっているが、メイズは生き延びている。「たぶん、いろいろな機械(マシーン)ができて、ミュージシャンに取って代わっているのが大きな要因じゃないかな。ドラムマシーン、シークエンス、シンセサイザー。打ち込みですべて出来てしまい、リアル・ミュージシャンのバンドが必要とされなくなった。そうしたことがバンドをスポイルし、バンドの維持が難しくなった。僕らが、維持できているのはとてもレアで幸せなことだ」
「僕らくらいの古いバンドのメンバーの何人かでさえ、シークエンス(打ち込み)を使うようになっている。ソウル・ミュージックはブルーズから発展している。それをマシーンにやらせるわけにはいかない」
近々出る作品についても語ってくれた。「昨年10月、テキサス州ダラスでやったライヴのDVDが来年出るよ。これはすごいんだ。(かつての名盤)『ライヴ・イン・ニューオーリーンズ』みたいな感じ。5-6曲、新曲も入っている。タイトルは『アンティシペーション』だ。ツアーで忙しくてなかなか編集が出来ないんだが、時間が空けば、その作業を出来るだけ早いうちにすませたい」
「また、それとは別件で、僕の息子の嫁が、『メイズ・トリビュート・アルバム』を作っている。メアリー・J・ブライジが「ビフォー・アイ・レット・ゴー」を歌い、ジョーが「キャント・ゲット・オーヴァー・ユー」、キムが「ゴールデン・タイム・オブ・デイ」などを歌っている。『シルキー・ソウル・トリビュート・トゥ・メイズ』というタイトルだ」
そして、彼とゆかりの深いマーヴィン・ゲイについて。マーヴィンは、メイズのことを無名時代に発見し、育てた恩人だ。彼についてになるとフランキーは少し熱く語り始めた。
「1日たりとも彼のことを考えなかった日はない。あの頃、僕たちはメンバー全員がひとつの家に住んでいて、必死に生きていたバンドだった。74年か、75年かのある夜、サンフランシスコのクラブでプレイしていたとき、彼が観客の中にいたんだ。ライヴ後、彼と話をすると、彼は僕のバンドを気にいってくれ、僕も彼のことが大好きになった。彼はいくつかの機材を買ってくれ、レコード契約を取ってくれた。今、こうしていられるのも彼のおかげだ。当時は自分たちはまだ『ロウ・ソウル』と名乗っていた。だが、彼はその名前が気に入らなかった。「ひどい名前だから変えてくれ」とマーヴィンが言って、(メンバーの)ロームが「メイズ」という名前を出してきた。今度はマーヴィンはその名前を気に入ってくれ、その後は、ご存知の通りだ。彼は僕にとってのビッグ・ブラザー。僕がやるショー、どこでもすべてで彼の名前を出すんだ。自分がしゃべるところでは、どうやってマーヴィンに会ったか、彼が僕たちにとってどれほど大きな意味があるか、彼は僕の心に永遠にいる、といったことを話すんだ」
長年、メイズにいたフィリップは言う。「このバンドは素晴らしい。曲目さえわかっていれば、リハーサルなんてしなくても出来る。実際、アメリカではリハはもとより、サウンド・チェックさえなくても本番ができるほどなんだよ」 
フィリップによれば、すでに演奏予定の曲目(セットリスト)は来ているという。あとは、各自がそれを練習して、本番に臨めばそれでいいだけだ。
マーヴィンへのトリビュート、そして、四半世紀以上継続しているリアルなライヴバンドとしてのプライドが楽しめる一夜になるだろう。
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■ 毎日新聞・楽庫にもインタヴュー記事が出ています
http://mainichi.jp/enta/music/interview/news/20090903dde012070071000c.html
(2009年9月3日付け夕刊)
■ コットンクラブ
https://reserve.cottonclubjapan.co.jp/ccj-reserve/reserve2/BC0100_zaseki.jsp?event_id=411
ENT>INTERVIEW>Beverly, Frankie

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