○パティー・オースティン・ライヴ~パティーとの楽しい夕べ

(内容がでます。これからごらんになる方はご注意ください)
【Night With Patti Austin Was Fun, Fun Fun, Greg Stole The Show?】
ジュークボックス。
クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子としても知られるシンガー、パティー・オースティンの「ジャズ・セット」ではない、「ソウル系セット」(ブラック・コンテンポラリー・セット)のライヴ。バックに来日30回以上を数えるキーボード、グレッグ・フィリンゲインズ、LAファースト・コールのギタリスト、ポール・ジャクソン・ジュニア、コーラスにリン・フィドモント(ヴァージンからアルバムを出しているリンゼイの片割れ)、そして元チャプター8のヴァレリー・ピンクストンらを従えた強力バンドをバックにしたもの。
オープニング、いきなり、クインシー関連メドレーでワン・ツー・パンチを食らう。クインシー・ナイトを彷彿とさせる。それは1980年代初期の、いわゆる「ブラック・コンテンポラリー」の夜明けにフラッシュバックさせてくれた。(ブラコン=ブラック・コンテンポラリーは1982年ごろから)
バンドがよいせいか、この日はずいぶんとのびのびとしたスポンテニアス(自然発生的)なステージ運びだった。特に中盤、「彼はクインシーやスティーヴィー、ライオネル・リッチー、マイケル・ジャクソンらの音楽監督をやっていてね、そう、私のも。グレッグ・フィリンゲインズ!」といってグレッグを紹介し、グレッグが関係した曲を何曲かちょこちょことやらせた。驚いたのがマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」のバックで、彼がムーンウォークもどきをやったことだ。(笑) あまり上手ではなかったが、芸達者なグレッグが最高に受けていた。グレッグもパティーもかなりなファニーなキャラクターだ。
パティーの歌はもちろん安定しており、どれを歌っても、その場で何を歌おうか突然決めても、バックもついてきて、彼女は気持ちよく歌う。この日印象に残ったのは、「ラヴ・ウィンズ」さらに「セイ・ユー・ラヴ・ミー」など。
「セイ・ユー・ラヴ・ミー」では、途中グレッグに振り、グレッグがプリンス風の歌声で歌うという芸を披露した。それがえらくおもしろかったようで、パティーやミュージシャンは大笑いしている。この日、突然、その場で出たという。さらには、グレッグは勝手にプリンスの大ヒット「アイ・ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」をやりだしてしまった。この時点で、グレッグ・スティール・ザ・ショウ、という感じだった。
そして、一息ついてパティーが言った。「素晴らしいソングライターの曲を歌おうと思います。もう誰もが2000万回(20 million times)以上歌っていると思いますが、私なりの解釈で歌います。これは、ビル・ウィザースの作品。彼は『キング・オブ・エコノミー・リリックス』(最小限の言葉で歌詞を紡ぐキング、というニュアンス)です」 こうして歌われたのがグレッグのピアノだけで始まり、歌が弾き語りっぽく始まった「リーン・オン・ミー」だった。後半バンドが入り、かなりよかった。これを歌い終えると、ひときわ大きく長い拍手が続いた。
すると客席から「愛のコリーダ!」の掛け声が。パティー。「なんですって」「愛のコリーダ!」「問題は、彼が愛のコリーダを覚えているか…」といってグレッグを指差すと、グレッグがコードを探しあて、そのまま「愛のコリーダ」を始めたのだ。もちろん、まったく予定にない、その場で起こったハプニング。
そして本編最後は、「1970年代のディスコの時代に戻りたいと思います。あの頃、誰も私を踊りに誘ってくれなくて。私はベッドではホットなんだけどね。(笑)」 と言って歌いだしたのが、なんとブレインストームというグループが放った1977年のディスコ・ヒットだった。これは珍しかった。
アンコールはデズリーの「ユー・ガッタ・ビー」。一時間半で相当楽しめたが、ふと考えると、「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」や「ベイビー・カム・トゥ・ミー」がなかった。後者は予定にはあったようだが、たまたまボツになったらしい。でも、「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」は僕はアンコールに取っておいてあるものだと思ったので、ちょっと意外だった。
それにしても、パティーが「グレッグのジュークボックス」と呼んだように、何でもできてしまうこのバンド、実に楽しい。パティーと楽しく過ごす夕べ、という感じだ。
(この項、続くかも)
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■メンバー
パティー・オースティン/Patti Austin(Vocals)
グレッグ・フィリンゲインズ/Greg Phillinganes(Keyboards)
デイヴィッド・デルホム/David Delhomme(Keyboards)
ポール・ジャクソン・ジュニア/Paul Jackson, jr(Guitar)
ダン・ルッツ/Dan Lutz(Bass)
トレヴァー・ローレンス・ジュニア/Trevor Lawrence, jr(Drums)
ラモント・ヴァン・フック/Lamont Van Hook(Background Vocals)
ヴァレリー・ピンクストン/Valerie Pinkston(Background Vocals)
リン・フィドモント/Lynn Fiddmont(Background Vocals)
■セットリスト パティー・オースティン
Setlist : Patti Austin @ Billboard Live, August 21, 2009
show started 21:34
01. Intro (Introducing members)
02. Quincy/Rod Medley (#2 to #4): Stomp
03. Give Me The Night
04. Razzamatazz
–. A riff of James Brown’s I Got Feeling
05. Betcha Wouldn’t Hurt Me
06. In And Out Of Love including a riff of “Good, Bad & Ugly”
07. Hey, Joe (Jimi Hendrix)
08. Love Wins
09. How Do You Keep The Music Playing
10. Happy Birthday (To Patti, born August 10th)
–. A little bit of Greg Phillinganes (#11 to #16)
11. Love Will Find A Way (Lionel Richie)
12. Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours (Stevie Wonder)
13. Billie Jean (Greg’s moonwalk) (Michael)
14. September (Earth Wind & Fire)
15. Say You Love Me (including Greg’s Prince Impersonate version)
16. I Wanna Be Your Lover (Prince)
17. Lean On Me (Bill Withers)
18. Ai No Corrida (Quincy Jones)
19. Lovin’ Is Really My Game (Brainstorm)
Enc. You Gotta Be (Des’ree)
show ended 23:13
(2009年8月21日金曜、ビルボード・ライヴ東京=パティー・オースティン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Austin, Patti
2009-95

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