◆人生のファイナル・アンサーを問いかける『スラムドッグ$ミリオネア』

◆【人生のファイナル・アンサーを問いかける『スラムドッグ$ミリオネア』】
運命。
日本でもみのもんたの司会で大人気となったテレビ番組『クイズ・ミリオネア』。これは元々イギリスの制作会社が生み出した世界的大ヒット番組だが、テレビの舞台を貧困と富の格差が劇的に激しいインドにして、18歳の男を主人公に据え、見事なドラマを盛り込んだストーリーを作った。アカデミー賞8部門受賞も納得だ。
主人公ジャマール・マリクはインド・ムンバイの極貧のスラム生まれ。兄のサリームと一緒に育つが、ろくな教育も受けず、母親とも死に別れ、厳しいストリートでふたりだけで生き延びてこなければならなかった。ひょんなことから、同じく孤児の女の子ラティカとともに行動を共にするようになる。
紆余曲折あってジャマールは、インドで人気のテレビ番組『クイズ・ミリオネア』に出演する。そこで、次々とクイズに正解していくが、教育もない彼がなぜ正解できていくのか。
A/インチキだった
B/ついていた
C/天才だった
D/運命だった
さて、どれだろう。それぞれのクイズの答えに至るまで、実はジャマールには過去18年生き延びてきた中で経験したことが役立っていた。1000ルピー札に描かれている人物の名前は知らないが、なぜアメリカの100ドル紙幣に描かれている人物の名前を知っているのか。クイズが進むごとに、ジャマールの過去がフラッシュバックし、彼がいかにしてここに至ったのかが徐々に明らかにされていく。見る側が映画にどんどんと入り込んでしまう見事な構成だ。
司会者は、インドのみのもんたということになるが、これがなかなか曲者。内心スラム出身のジャマールが次々正解していくのがおもしろくない。
ジャマール、兄サリーム、司会者、ラティカ、悪いギャングたち、などキャラクターがそれぞれはっきりしていてわかりやすい。そして、このクイズ番組からこれだけのストーリーを作ってしまうのだから、脚本、編集、監督らの技ありの1本だ。他のどこにもなかった斬新な着目点がお見事。
そして、ジャマールは人生のファイナル・アンサーを獲得できるのか。
ところで最後まで疑問が残ったのが、15問目の答え=文字通りファイナル・アンサーをジャマールは本当に知らなかったのだろうか。正解を答えるのが、運命だったのか。いやあ、『クイズ・ミリオネア』を見ているようなドキドキ感と、映画内の3人のストーリーのドキドキ感がかけ合わさって、思い切り肩に力はいって見てしまいました。
でもね、司会はみのさんのほうが、数段いいね! みのさんの、正解か不正解か言わないあの「間」が、この司会者にはないもの。(笑) でもね、司会役のアニル・カプール、司会者としてはちょっとやな奴だけど、実生活では、この出演料を全額インドの出生登録プロジェクトのためのNGOに寄付したそうだ。すごくいい人なのだ。
■映画『スラムドッグ$ミリオネア』全国各地でロードショー中。
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