Earth, Wind & Fire: Live At Budoukan, Why They Didn't Play Encore Song?

【なぜ、アンコールがなかったのか】

ノーアンコール。

アース・ウインド&ファイアーの2004年9月以来、1年4ヶ月ぶり11度目の来日コンサート。モーリスはいないが、とりあえず、現存のR&Bセルフ・コンテインド・グループとしては、実力ナンバーワンといっていいだろう。

アフリカ風のオープニングから「ロック・ザット」で観客を立たせ、新曲「ラヴリー・ピープル」~「サーパンティン・ファイアー」まで一気にまくしたてる。このノンストップの無駄のない選曲とパフォーマンスは、アースならではのもの。

ピンクの上下という随分と目立ついでたちで登場したべースのヴァーディン・ホワイトは、とにかくエネルギーいっぱいで飛び跳ねる。メンバー紹介で、「エナジー・オブ・アース・ウインド&ファイアー」と紹介されていたが、本当にその通りだ。

ほぼ満席の武道館は、アリーナは1曲目「ロック・ザット」から総立ち。「ピュア・ゴールド」あたりでやっと少しずつ座り始めるという感じで、スロー以外はリズムにあわせて腰を揺らし、腕を振り踊る。おもしろかったのは、新作に収録の「ザ・ウェイ・ユー・ムーヴ」。最近の人たちにはアウトキャストのヒットのカヴァーということで、大受けしそうな曲なのだが、このセットリストの中ではスローを除いては、一番のりが悪かった。観客が「こんな曲しらないぞ」という感じでほとんどリアクションがないのだ。アメリカでのリアクションはどうなのか知らないが、アース・ウインド&ファイアーがこの曲をカヴァーする必然性があるかどうか、議論の余地のあるところだろう。しかし、そんな観客も「ファンタジー」以降のヒット曲連続のところは、これ以上ないというほど盛り上がる。ディスコでもここまで踊らないだろうというほどののりだ。武道館の気温が一挙に3度くらい上昇! 

ちょっと細かい点で言うと、「リーズンズ」のギターソロは長すぎ。なくてもいいかも。「ファンタジー」の導入部のキーボードソロも長すぎ。全体的に、各楽器のソロ部分がけっこうフィーチャーされるのだが、ちょっと長いような気がした。前半のたたみかけるところがいいだけに、このあたりがちょっともったいない。

事前に今回はセットリストをもらっていたので、「レッツ・グルーヴ」の後にアンコールが来ると思っていたのだが、なんと突然客電がついて、「本日のコンサートは・・・」のアナウンス。大阪では「ラヴ・ダンス」「ゲットアウェイ」「ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド」の3曲をアンコールとしてやっていて、この日も演奏するはずだった。では、なぜアンコールがなかったのか。

観客ののりが悪かった? いや、そんなことはない。観客ののりは最高だった。疲れた? いやあ、あれだけの体力があるバンドメンバーだ。それも考えにくい。というところで、謎が残ったまま外に出た。

実は、「レッツ・グルーヴ」を演奏している最中、どうやらキーボードのどれかがトラブルになったようなのだ。途中から演奏をやめてしまっていたという。ちょっと僕は気がつかなかったのだが、後で会ったこのライヴを見ていたミュージシャンのひとりが、それを指摘していた。つまり、3台あるうちのどれかが壊れ、そのために、残る3曲のデータが入っていたりすると、当然演奏できない。よって、アンコールなしになってしまったというわけだ。機材トラブルのためアンコールなし、ということになったらしい。

さて、2日目は無事アンコールまで行くだろうか。ところで、久々に武道館、1階南で見たのだが、いつもブルーノートのような小さなところで見るのに慣れていると、ステージが遠い。(笑) ライヴが始まってすぐに忘れ物に気づいた。それはオペラグラス。今度は忘れないようにしなきゃ。

■Setlist (++ denotes songs from new album “Illumination”)

show started 19:17
01. Rock That
02. Lovely People ++
03. Shining Star
04. This Is How I Feel ++
05. Saturday Nite (Including riff of “On Your Face”)
06. Sun Goddess
07. Boogie Wonderland (Including female back chorus)
08. Drum Song
09. Serpentine Fire (Including Verdine solo)
10. Kalimba Story (Phillip plays Kalimba)
11. Evil
12. Brazilian Rhyme
13. Pure Gold ++
14. After The Love Is Gone
15. Reasons (Including riff of “Over The Rainbow”)
16. Head To The Sky
17. Devotion
18. The Way You Move ++
19. Fantasy
20. Sing A Song
21. September
22. Let’s Groove
show ended 20:58
(no encore)

■メンバー (ステージから紹介されたものの聞き取りによるもので、正式には後日報告します。基本的には前回とほぼ同じようです)

Philip Bailey / Vocal/Percussion
Verdine White / Bass
Ralph Johnson / Vocal/Percussion

Benjamin David Whitworth / Vocals/Percussion
Myron McKinley / Musical director, Keyboards
John Paris / Drums

Bobby Z / Guitars
Gregory Moore / Guitars

=Earth Wind & Fire Horn Section=
Robert(Bobby) Burns, Jr. / Trumpet
Gary Bias / Sax
Reginald Young / Trombone

(Charmaine Cousin / Background Vocals (off stage) ?? 女性コーラスはキーボードからのサンプリングだしか? 今回は影コーラスが紹介されなかったので、この人はいないかもしれません)

■アース・ウインド&ファイアー過去関連記事

2004/09/04 (Sat)
Earth Wind & Fire: Set The Budokan On The Fire
前回武道館でのライヴ評
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040904.html

2004/09/05 (Sun)
After The Rain Has Gone: EWF Live At Budoukan
ライヴ評第2弾
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040905.html

2002/11/29 (Fri)
Big Daddy! Big Boss!
前々回のライヴ評。背中で歌うモーリスホワイト
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200211/diary20021129.html

2002/12/01 (Sun)
Maurice White Talks
モーリスへのインタヴュー
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021201.html

(2006年1月18日水曜、日本武道館=アース・ウインド&ファイアー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Earth, Wind & Fire

2006-007

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