Platters Live: Homeworks To Be Done

【プラターズ・ライヴ】

宿題。

往年のグループ、プラターズ。現在、アメリカでは10以上のグループがプラターズを名乗っているが、本家本元のプラターズの流れを汲むバック・ラムのプラターズのライヴを日本ツアーの初日、東京・日比谷公会堂でを見た。

キーボード、ドラム、ベースを従えたグループの下記セットリストを眺める限りは、「おお、あのヒットが、おお、あれも!」となり、60年代にプラターズのヒットで青春を過ごされた方にはひじょうに嬉しいものになっている。実際、会場はかなりの年齢層の人が多数だった。おそらく60代中心だったような気がする。

だがショウとしてはいくつも宿題が残る。勝手に感想を。まず、ショウ構成。途中に韓国系のシンガーが3曲歌うが、これが致命的に厳しい。韓国・北朝鮮が分断されているように、プラターズのショウの流れがぶっつり切られてしまう。まさに彼女は38度線の女だ。(笑) よって彼女をどうしても出さなければならないのであれば、オープニングアクトの位置付けしかないだろう。それに加えてシュールで面白かったのが、その韓国人シンガーの紹介にいわゆる司会者が登場するところ。まるでデパートの屋上でやっているようなイヴェントの公開収録でも見てるみたいだった。(笑) これもできればカット。もっとも、これをみうらじゅん的に楽しめれば、あなたも超一流のライヴ・ゴーアー(ライヴに行く人)。

2曲目にいきなりアカペラで「オンリー・ユー」が歌われびっくりした。2曲目はないでしょう。(笑) 一番、お客さんが聴きたい曲だ。ひっぱってひっぱって、一番最後にしたい。(笑) と、思ったら、なんと、アンコールで今度はバンド付きで歌ってくれた。嬉しいやら、苦笑するやら。思わず、「ホントですか」と独り言をつぶやいた。2曲目と3曲目のアカペラは、かなり厳しい。たぶん歌手たちもまだ音程とかつかめていないだろうから、これはなんとかしないと。どうしてもやるなら、もっと後半にもってきたほうがいいだろう。できればカットの方向で。

彼らはカヴァー曲を何曲か歌う。カヴァーは、できれば彼らの場合60年代まで(あるいはせいぜい70年代初期まで)のヒット曲がいいような気がする。また、女性シンガーがリードで歌う曲が「リスペクト」(アレサ・フランクリンのヒット)と「アイ・ウィル・サヴァイヴ(恋のサヴァイヴァル)」(グロリア・ゲイナーのヒット)なのだが、バックコーラスに3人の男性シンガーを従えるなら、例えばグラディス・ナイト&ピップスの作品(「夜汽車よジョージアへ」など)あたりをもってきたほうがいいと思う。

一言で言えば、ホテルのラウンジで30人くらいのほとんどバンドを聴いていないような客を相手に歌っているカヴァー・バンドが、大きなコンサートホールでライヴをやってしまいました、という感じだ。あるいは、プラターズのヒット曲を専門にカヴァーするグループと割り切れれば、あなたも超一流のライヴ・ゴーアー。

しかし、改めてプラターズのヒット曲の数々をまとめて聴くと、実にいい曲が多いことを再発見する。また、1曲1曲が短いので、テンポよくショウを進めることも可能だ。いい曲でたたみかければ、いいショウになる。それらは、すべて「間」のもってき方にかかってくる。

もし前座をカットすると曲が足りなくなるので、その場合はHeaven On Earth, It Isn’t Right, On My Word Of Honor, He’s Mine, My Dream, I’ll Never Smile Again, I Love You 1000 Times あたりを加えればいいだろう。また女性シンガーがリードをとるところは、グラディス・ナイト&ピップス、ルーファス・フィーチャリング・シャカ・カーン、あるいはアシュフォード&シンプソン、ピーチェス&ハーブあたりの曲から選ぶのはどうだろうか。

ツアーが進むにつれてショウ自体がブラッシュアップしていくことを期待したい。

Setlist: original artist in the ( ).

show started 18:36
01. Love Train (O’jays)
02. Only You (A cappella)
03. (You’ve Got) The Magic Touch (A cappella)
04. Harbor Lights
05. My Prayer
06. Remember When
07. My Girl (Temptations)
08. Enchanted

–Kim-Ha Kang–(Guest Singer) on 19:08
09. Theme From Love Story
10. ジグザグの足跡
11. 九月の歌
out 19:26

–Platters–

12. Stand By Me (Ben E King)
13. You’ll Never Know
14. Twilight Time
15. Respect (Aretha Franklin)
16. Smoke Gets In Your Eyes
17. White Christmas (Traditional)
18. The Great Pretender
19. I Will Survive (Gloria Gaynor)
20. 上を向いて歩こう (Sukiyaki) (Sakamoto Kyu)
Enc. Only You (with band)
show ended 20:11

(2005年12月12日月曜、日比谷公会堂=プラターズ・ライヴ)

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