TKY With Kamayatsu Live At JT Hall

【TKYとムッシュの夜】

意外。

前日、日野賢二さんとは、目黒のブルースアレーで、「じゃあまた明日」と言って別れた。本日(12日)は、TKYのライヴだ。これは、虎の門のJTホールで定期的に行われている「ジャズ・イン・東京」というイヴェントの一環で、今回で16回目を向かえるという。また8月に行われる「東京ジャズ2005」のプレイヴェントという意味合いもある。

TKYにスペシャルゲストで、なんとムッシュことかまやつひろしさんが登場! 第二部でスパイダースのヒットなどを実に今風にアレンジして歌ったりした。

TKYとしては、前回、渋谷クワトロ以来(2005年5月13日)。いやあ、あの衝撃がいまだに忘れられないが、今回はちょっと空気が違った。それは、おそらくこのホールのためだろう。JTホールは、とてもきれいで天井が高い。だから、クワトロのように空気がどんよりして、濃密になるということがない。なんかクリアにすっきり、きれいになってしまう。

したがって、このホールではアコースティックなピアノ・トリオとか、比較的静か目系のアーティストのほうがあうのではないだろうか。TKYは、のりのグルーヴ感抜群のバンドだけに、この抜けてしまう天井の高さが微妙に雰囲気が違うかなという気がした。あるいは、後方にリアスピーカーでも置いて、前後左右から音の洪水にするという手もある。以前ニューオーリンズのバンドをここで見た時も、音の拡散が気になっていたことを思い出した。クワトロだと音が一方向に凝縮していく感じなのだが、ここはどこかに拡散していく感じなのだ。まあ、音響のセッティングの問題かもしれない。

とはいうものの、それはライヴのホールと音響、言ってみれば、ハード(環境)の問題であり、中身、ソフト(音楽)のほうは相変わらずグルーブ炸裂だ。しかし、このTKYの5人衆が作り出す音はかっこいい。

第二部始まっていきなりムッシュかまやつ氏登場。そして、あの「ゴロワーズ」(正式タイトルは、「ゴロワーズという煙草を吸ったことがあるかい?」)からだ。1975年に録音されたというこの曲は、ヒップホップやラップが1979年に世界に登場する4年も前に作られていたラップ曲だ。(笑) これをTKYのバックでやる日が来るなんて誰が予想しただろうか。 さらにスパイダーズ時代の「ノー・ノー・ボーイ」を、ポリス風のアレンジで聞かせた。

かまやつさんも、TKYメンバーも、実に楽しそうにセッションしている。かまやつさんは66歳、その半分くらいのメンバーとひとつの言葉でセッションができるのだから、音楽とは「いい言葉」だ。

かまやつさんとTKYという意外な組合せ。なかなかおもしろかった。っていうか、かまやつさんて、きっと誰とでも音楽を楽しめるんだろうなあ。とても素敵なことです。

しかし、ふと考えると、JT(煙草)のスポンサーでゴロワーズ(煙草)というのもおもしろい。

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■TKY過去のライヴ評

2004/09/22 (Wed)
TKY Live At Sweet Basil: Fire On The Scene
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040922.html

2005/05/14
TKY Live At Shibuya Quatro: A Vague Outline Become Firm Style
http://diarynote.jp/d/32970/20050514.html

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Setlist TKY @ Toranomon JT Art Hall Afinis

First

1. TKY
2. Snail
3. Reminiscence
4. As Allure

Second

1. Gauloise ゴロワーズという煙草を吸ったことがあるかい?
2. No No Boy ノー・ノー・ボーイ
3. Bang Bang Bang バン・バン・バン
4. Talking Low
Enc. Just For Fun!
Enc. Yeah Yeah

(2005年7月12日火曜、虎の門・JTアートホール アフィニス=TKYウィズ・ムッシュかまやつ・ライヴ)

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