Ray In The Rain, Soul In The Rain

【レイ・チャールズ・イヴェント】

無限大。

2005-0610-1749.jpg小雨ぱらつく新宿アルタ前。広場にテントが張られ、簡単なステージができていた。バックには映画『RAY/レイ』のDVDのポスターが所狭しと張られている。レイ・チャールズの映画『RAY/レイ』の日本盤DVD発売記念イヴェント。ちょうどレイ・チャールズの命日、一周忌にあたる6月10日に発売され、それと同時にこのイヴェントが行われた。

ちょっとひんやりとしていた5時過ぎ、マイク越谷さんの司会でスタート。まだ街行く人はそれほど止まっていかないが、「なんなんだ?」風の人が2-30人はいただろうか。

越谷さんのMCで一人一人ステージに呼ばれた。リハを早く切り上げて登場してくれた鈴木聖美(すずききよみ)さん、前回のレイ関連のイヴェントでも登場し熱いレイ・トークを繰り広げてくれた鮎川誠さん、そして、つい最近レイ・チャールズ・トリビュート・アルバムを出した近藤房之助さん、詩人で本の出版、詞の朗読ライヴなどをやっている三代目魚武濱田成夫(さんだいめ・うおたけ・はまだしげお)さん、そして吉岡正晴。

映画のDVDは、3枚組のものと2枚組のものが発売されていて、3枚組のほうが、秘蔵映像などが多く収録されている。個人的には、絶対に3枚組みのほうをお勧めする。また、6月10日にはレンタルも開始になるが、レンタル盤には、映画の本編(2時間半)しかないという。したがって、レンタルではカットされたシーン、ライヴ映像、監督、ジェイミー・フォックスなどのインタヴュー部分は収録されていない。

魚武さんは、レイ・チャールズに捧げる自分の詞を大きな声で朗読。彼の声はアルタ前、このあたりにいっぱい響いたと思う。「一生が1曲。人生が終る時が1曲が終る時…」といった内容のもので、実に迫力があった。

さて、それぞれの出演者のレイ・チャールズへの思い出などが語られ、後半、いよいよ近藤さんのライヴが。ギター1本で、「ジョージア・オン・マイ・マインド」を歌う。それに、鮎川さんがギターで参加。さらに、鈴木さんがコーラスで加わり、強力な3人の共演となった。まさにレイ・チャールズが3人の日本人アーティストを結びつけたわけだ。予定では「ジョージア…」1曲だけだったが、終ると、鮎川さんが、あの「ホワッド・アイ・セイ」のイントロのリフをプレイし始めた。すると、それにあわせて近藤さんも弾き始め、レイがキーボードでやった「ホワッド・アイ・セイ」をギター2本でやった。なかなかのりで、最初近藤さんが歌い、さらに鮎川さんが歌った。

二人が突然プレイし始めたもので、それぞれのヴォーカル用のマイクがなかった。そこで近藤さんの分は越谷さんがマイクを持ち、鮎川さんの分を僕がマイクを持った。「鮎川さんが『ホワッド・アイ・セイ』を新宿で歌った時、マイクを持ったのは僕だ」と末代まで自慢しよう。(笑) 

近藤さんは、本番が始まる前、楽屋でビールと老酒を飲みながら、レイのトリビュート・アルバムについて「そんな、レイ・チャールズ(の曲)なんて誰もカヴァーできませんよ。畏れ多くてやっちゃいけないことをやっちゃったんです」と一言もらした。その言葉に彼のレイ・チャールズへの無限大の尊敬の念を感じた。

この頃までには、道行く人はかなり止まっていて、けっこうな人だかりになっていた。やはり、音楽の力だ。

ステージの上には屋根があったが、小雨が横から舞い込んできていて、意外と濡れた。2005年6月10日、雨の中にレイはいた。そして、雨の中に一粒のソウルもあった。

(2005年6月10日金曜、「Ray/レイ」DVD発売記念~レイ・チャールズ forever~一周忌追悼トーク&ライヴ=JR新宿駅東口ステーションスクエア)

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