Erykah Badu: Purple Queen

パープル。

バドゥイズム7時開演予定が何か前座があり、さらにエリカがこのほど設立した新レーベル、コントロール・フリーク所属のラップ・グループ、ジェイ・エレクトロニカが登場。これが7時50分、しばしラップをして、その流れで8時6分、エリカが登場した。ポジティヴ(プロモーター)がかかわっているライヴショウはいつも前座が多くて、本アーティストの登場が異様に遅い。前座があることをチケットやフライアーにはっきり明記してもらいたい。本アーティストの登場が何時頃になるのかも、ウェッブなどでもいいのでだしてもらいたい。結局この日も、7時スタートの9時終わりをメドに考えていたが、次があったので、9時20分過ぎには出ざるを得なかった。はっきり言って無駄な前座はいらない。

さて、約5年ぶり2度目のエリカのライヴだが、声の調子が悪かったようで高音を出そうにも、声がかすれてでない。実に苦しそうで、かわいそうだ。しかし、バンドは実にかっこいい。また二人いる女性のバックコーラスがこれが、うまい。エリカが声が出ない分をこの二人がカヴァーしたと言っても過言ではないだろう。最初は何気に聴いていたが、ずいぶんコーラスがうまいなあ、と思ったら、彼女たちがちょっとだけソロを取る部分があり、特に向かって左のシンガーは圧巻だった。エリカより声量もあるし、歌もうまかった。もっともエリカは歌のうまさを誇るということではなく、ひとりのアーティストとして素晴らしいから、とりたてて問題ではないのだが。

やはり、エリカはアーティストとしての存在がずば抜けている。ほとんど同じ曲調なのに、しっかりとそのステージを仕切っていて、緊張感を維持する。

バンドは、ドラムス、キーボード、ベース、DJ、コーラス2人、これにエリカ。シュアでタイトなバンドでかなりいい。CDでは打ち込み風の音をここでも、打ち込み風にしながら、生ドラムを叩いてリアル・ミュージック感を出す。

先週のアンジー・ストーンが一見ネオ・ソウル風だったが、実は本質的にはオールド・スクールだったのに比べると、このエリカ・バドゥーは名実ともに「ネオ・ソウル」「ニュー・スクール」と言える。知性もあり、アーティストとしての信念がしっかりして安易な妥協は許さない。彼女の言葉に、「自分のレコードは、モータウン(現在の所属レコード会社)に帰属するが、私自身はモータウンには帰属しない」というものがある。レコードを売らなければならないというそのビジネスの仕組みもわかり、それを理解しているが、芸術面では妥協しない、という。

このあたりのメンタリティーがひじょうにプリンスと近いと感じたら、プリンスとよく話をするという。ショウの途中まで赤いコートのようなものを羽織っていたが、途中でそれを脱ぎ捨てると、中にはパープル色のワンピースのようなものを着ていた。その堂々とした振る舞いはパープル・クイーンと名づけてもおかしくないほどだ。

9時25分過ぎ、ちょうど「アイ・ウォント・ユー」を自由自在にいじって歌っているところで僕は時間切れ。最後には「バッグ・レイディー」はやったんでしょうね。(笑) これで、声の調子がよかったら、もっともっと素晴らしかっただろう。そして、前座がなければ。(笑)

なお、エリカ・バドゥーは事前にセットリストを作らないという。その場ののりで曲を決めているのだろうか。それともただ、発表しないだけか。聞いてみたくなった。聞くところによると「アイ・ウォント・ユー」が最後で、9時半すぎにはライヴは終ったとのことだ。

Setlist (Almost complete)

Erykah came on stage at 20:06

01. (rap song) (with Jay Electronica)
02. World Keeps Turnin
03. Green Eyes (Movement 1,2,3)
04. Didn’t Cha Know
05. On & On
06. … & On
07. No Love
08. Otherside Of The Game
09. Apple Tree
10. Orange Moon
11. (Erykah jams on keyboard)
12. I Want You (as of 21:25, she was still playing)

(“I Want You” was the last song on the show)

(no encore)

(2005年4月2日土曜、新木場スタジオ・コースト=エリカ・バドゥー・ライヴ)

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